インドネシアの法人税は22%です。 インドネシアビジネスを始めるに当たって現地の法律や規則を学ぶことはとても大切です。特に税率などは国によって異なるのでしっかりと確認しておくべきです。
もし確認していなければ大変なことになりますし、ビジネスもスムーズに展開できません。きちんと学んで頭に入れておけば困ることも少なくなりますし、税金の話もしやすくなります。
そこで今回はインドネシアの法人税率について詳しくご紹介します。
インドネシアの法人税率
インドネシアの法人税率は、2022年現在22%となっています。
この法人税率は変わる可能性があるので最新情報をしっかりとチェックしましょう。たとえば、少し前は25%でした。そして、2022年以後は20%に引き下げられる可能性がありましたが、2021年の改正税法では2022年以後も22%であることが決定しました。
全体的な概要は以下のようになっています。
項目 | 概要 |
---|---|
対象者 | インドネシア設立の法人 管理支配がインドネシアの法人 |
課税の範囲 | 全世界所得課税 |
税率 | 22% |
課税期間 | 暦暦もしくは会計年度 |
納付期限 | 課税年度終了の日から4ヶ月 延長は2ヶ月ほど可能 |
中間納付 | 毎月予定納付がある |
時効 | 課税終了から5年間 |
こちらの表はデロイト・トーマツ社の情報をまとめたものです。
全世界所得課税とは、インドネシア国内での所得に限らず、海外で発生した所得に対しても課税を行うことです。 また、中間納付を毎月行う必要があり、課税年度が終了する4ヶ月以内に確定申告と納付を行わなければなりません。
そして、法人税率に関しては具体的な条件が存在します。
- 上場会社で株式の40%以上を公開:3%の法人税引き下げ
- 小企業で年間売上高が500億ルピアまで:法人税率が半分(48億ルピアまでの課税所得まで)
- 年間売上高48億ルピア以下:ファイナルタックスで毎月の売上高に0.5%を課税
法人税納付のモデルケース
モデルケースとしては、12月決算の場合、1月1日から12月31日の間、毎月前の年の実績に基づいて予定納付と申告を行わなければなりません。
それから、課税年度終了の日から4ヶ月である4月30日までに申告納付を行います。 また、申告期限は4月30日から2ヶ月間、6月30日までの申告期限延長が可能です。
インドネシアとASEANの法人税比較
インドネシア法人税は2022年時点で22%ですが、これは他のASEAN諸国と比較して高いのでしょうか?低いのでしょうか? それを2022年現在の情報に基づいて一覧にして比較したのがこちらです。
国 | 税率 |
---|---|
ブルネイ | 18.5% |
カンボジア | 20% |
インドネシア | 22% |
ラオス | 20% |
マレーシア | 24% |
ミャンマー | 22% |
フィリピン | 25% |
シンガポール | 17% |
タイ | 20% |
ベトナム | 20% |
表一覧で見ると法人税率が22%のインドネシアは真ん中辺りに位置しています。どの国も海外から企業を呼び込んで経済を発展させるために法人税の引き下げを行っていますが、もっとも高いのはフィリピンとなりました。
フィリピンは最近まで30%という所得税でしたが、2020年に25%に引き下げられました。ちなみに、国内法人、住居外国法人、非住居外国法人のそれぞれで税率が異なり、国内法人で資産によっては20%で課税されます。
一方で、法人税が圧倒的に安いのはシンガポールです。世界的に見ても安い部類に入るので、節税目的で多くの企業がシンガポールに進出しています。また、個人であっても最高税率が22%なので日本の最高45%とは雲泥の差です。
これらのメリットもあってシンガポールに進出するハイクラスのビジネスパーソンが多いです。
インドネシアの税制
事業を行うに当たってインドネシアで暮らせば法人税の他に以下のような一般的な税金がかかります。
- 付加価値税
- 所得税法人税
- 奢侈品販売税
- 印紙税
- 土地及び建物税
- エンジン付き車両税
- ガソリン税
- 水道税
- たばこ税
- 地方税
- ホテル税
- 管轄: 州歳入局等
- レストラン税
- 娯楽
- 広告税
- 街灯税
- 駐車
- 土地及び建物税 (地方都市)
この中で、個人で生活に密着するのは、付加価値税と所得税です。
付加価値税
付加価値税は消費税に似ており、モノやサービスを購入する時に上乗せして課税されます。2022年時点では、11%となっております。今後、2025年には12%に引き上げる予定です。 ちなみに、日用品ではない高級な嗜好品には、商品ごとに設定された奢侈品(しゃしひん)販売税が課されます。
所得税
インドネシアでは、個人の所得税は累進課税となっています。インドネシア人は全世界所得課となっている一方で、外国人は年間183日以上インドネシアに滞在すると納税義務が発生します。 課税率は以下のようになっています。
所得 | 税率 |
---|---|
5000万ルピアまで | 5% |
5000万ルピア〜2億5000万ルピアまで | 15% |
2億5000万ルピア〜5億ルピア | 25% |
5億ルピア〜 | 30% |
インドネシアでは最高でも30%なので、日本の45%に比べると安く感じますね。
まとめ
今回はインドネシアの法人税率についてご紹介しました。 インドネシアの法人税率は22%でASEAN諸国の中では平均的です。
また、法人税に関して重要な用語や決まりがあるので合わせて覚えておきましょう。 ぜひ、参考にしてみてください。