インドネシアは経済成長が著しい国です。
人口も多く資源も豊富なので経済成長の速度も早く、将来的には世界経済を牽引するポテンシャルがあります。また、今後の世界情勢次第ではGDP上位の国に入る可能性も高く、今後の注目も集まっています。
その一方でインドネシアに行ったことがなかったり、深く学んでいなかったりするとインドネシア経済の実態や勢いもよくわかりませんよね。
そこで今回はインドネシア経済の成長率や、何がすごいのか特徴を交えながら詳しく解説します。
インドネシアの過去10年の経済成長率
インドネシアの過去10年の経済成長率は以下のようになっています。
年 | 経済成長率 |
---|---|
2012 | 6.03 |
2013 | 5.56 |
2014 | 5.01 |
2015 | 4.88 |
2016 | 5.03 |
2017 | 5.07 |
2018 | 5.17 |
2019 | 5.02 |
2020 | -2.07 |
2021 | 3.69 |
2022 | 5.33 |
(SNA、世界経済ネタ帳から引用)
過去10年間での経済成長率の平均は、5.03%となっています。 新型コロナウイルスの影響で、2020年はマイナス成長となっています。そのため、平均経済成長率を下げる要因となってしまいました。
しかし、それでも平均の経済成長率は5%を保っておりインドネシア経済の底力の強さを伺えます。 2022年も5%を超えており、コロナ前でも高い経済成長率を維持しているので今後も同程度の数字になることが予測できます。
また、世界的に新型コロナウイルスの混乱が長引く中、インドネシアはコロナ禍からの回復も早く一定程度の経済成長をしています。
高いGDPを誇るインドネシア経済の特徴
高いGDP成長率を記録するインドネシア経済の特徴としては以下のようなものがあります。
- 資源が豊富
- 人口が豊富
それでは順番に解説します。
資源が豊富
インドネシアは資源が豊富です。鉱物やエネルギーなどの産出国であり、経済的な立ち位置から見ると有利です。
もし、世界のエネルギー資源に異常が起こっても、インドネシアのようなエネルギー産出国になればいざとなった時にエネルギーを自国のために使用できます。 エネルギー資源の乏しい国であれば、資源高などの影響を直接受けるので経済が混乱してしまいますが、エネルギーを自前で調達できれば問題ありません。
たとえば、2022年にインドネシアは自国の電力需要を優先するために石炭の輸出を禁止しました。 インドネシアでは石炭を用いた火力発電が全体の6割程度を占めており、その石炭需要を優先するために輸出を禁止して国内に回しました。
こうしたことができるのは資源国の強みです。同時にエネルギーの国際価格に影響を与えられるので強烈なカードを持っています。
そして、インドネシアの資源のバリエーションも豊富です。たとえば、石炭だけ産出できる国家であれば、世界的な環境への意識の高まりが石炭需要を減退させるので大きな影響を受けるでしょう。
インドネシアの場合は天然ガスが取れたり再生可能エネルギーにも舵を切っていたりするので環境への意識の高まりに合わせたエネルギーシフトができるでしょう。
代表的なもので言えば、排気ガスを出す自動車から電気自動車に変わるトレンドがありますが、電気自動車にはバッテリーが必要です。
このバッテリーに必要なのが鉱物資源のニッケルですが、インドネシアではニッケルの生産量が世界1位です。 この点でもうまく波に乗れているでしょう。
人口が豊富
インドネシアは人口が日本の2倍以上である、約2億7000万人となっています。
人口動態を見てみると、ただ単純に多いのではなく若い人口が多いことがわかります。若い人口が多いことは、労働力もあるということなので経済の基盤となっています。
また、こうした人たちが経済活動を通して豊かになれば、今度はそのまま消費力となります。
稼いだお金を使ってくれる人たちも増えるので、インドネシア国内で多くのお金が行き来する内需型経済になるでしょう。 世界的な不況になったとしても内需経済がダメージを受けなければ、GDP成長率が高めになります。
また、労働力が豊富にあってもインドネシア国内に働き口がなければ意味がありません。 そこでインドネシアでは、人件費を安く労働力を豊富に扱えるということで、多くの外資系企業が進出しています。日系メーカーの工場もありますよね。製造コストを抑えられるので企業としては嬉しい限りです。
一方でインドネシア側では、外資系企業からノウハウを学ぶことができることに加えて、若い人たちの雇用先を生み出すことができるというメリットがあります。双方がWIN-WINになれます。
まとめ
今回はインドネシアの過去10年間の経済成長率に加えてインドネシア経済の特徴について解説しました。
インドネシアでは過去10年間で5%程度の高い経済成長をしてきました。日本などの先進国に比べて圧倒的に高いです。 一方でインドネシアは資源と人口が豊富です。資源を自国に供給できてエネルギー動向の影響を最小限に抑えられます。また、豊富な労働力を生かして外資系企業を呼び込んでいます。
ぜひ参考にしてみてください。