インドネシアと日本は古くから関わりがあります。
インドネシアは日本に対して親日感情を抱いていると言いますが、それがどうしてか気になりませんか?親日感情を抱くことになったのは、日本とインドネシアが古くから関わってきて積み重ねがあったからです。
日本で生活していると、他国との関わりは意外とわからないものです。特に同じアジアでありながら、南半球に近いインドネシアについて知る機会はあまりありませんよね。
そこで今回はインドネシアが親日な理由と日本とインドネシアの外交関係の歴史について解説します。
インドネシアが親日な理由
インドネシアが親日な理由は以下の通りです。
- スカルノ大統領の影響
- アニメやマンガの影響
それでは順番に解説しましょう。
スカルノ大統領の影響
スカルノ大統領とは、インドネシアの建国の父と呼ばれる人物です。
太平洋戦争中、日本はインドネシアに侵攻します。これは長引く日中戦争の影響で、資源が枯渇したため南進して資源を確保しなければならなかったからです。この時代は日本とインドネシア人の間で軋轢があったことも知られています。
しかし、その後日本が戦争に負けて、インドネシアを手放すことになりそうでしたが、日本がインドネシアを支配する以前に支配をしていたオランダが干渉してきました。そして、オランダとインドネシアの間で独立戦争が起こります。
その時にインドネシア側に立って参戦したのが日本兵の残党だと言われており、スカルノ元大統領もここに感銘を受けたことからスカルノ元大統領の親日感情が国民に伝播したと言われています。 また、スカルノ元大統領の奥さんはタレントとしても有名なデヴィ夫人です。
デヴィ夫人は1940年2月6日に東京都港区で生まれ育った後、インドネシアの開発援助という名目の東日貿易の秘書としてインドネシアに送り込まれます。 スカルノ大統領は当時も日本との関係を重視していましたが、その一方で何人かの愛人がいました。
デヴィ夫人もその中のひとりでしたが1962年に正式に結婚します。そうしたこともあって日本が身近に感じられるようになりました。
アニメやマンガの影響
日本のアニメやマンガの影響をインドネシアの人々は受けています。 これはインドネシアに限ったことではありませんが日本のエンターテイメントコンテンツが世界中でファンを作っており、日本が好きになる人々を増やしています。
たとえば、アニメであれば『ドラえもん』や『ドラゴンボール』といった王道のコンテンツがインドネシアでも人気です。一方でマンガであれば、『ワンピース』や『NARUTO』といったコンテンツがインドネシア語に翻訳されたものがインドネシアで販売されています。
インドネシアと日本の外交の歴史
交流の初期
日本人の中には江戸時代である17世紀ごろに初めてインドネシアに定住する人がいた記録があります。
そして、明治時代の1898年には600人程度の日本人が既に住んでいました。その後、1940年にかけて在インドネシア邦人は10倍以上に増えました。 そして、太平洋戦争に突入してインドネシアを日本が統治するようになります。
2008年に外務省が行った、太平洋戦争中の対日世論調査では、インドネシアの70%の人々が「悪い面があったが今となっては気にならない」と答えています。 その後、インドネシアは独立戦争を行い、宗主国であるオランダから独立をします。
この時にインドネシア側に立って参戦した日本兵たちは戦争終了後もインドネシアで生き続けることを選びました。
国交樹立後以降
1958年になってインドネシアと日本は国交を樹立します。その後、1970年代になってインドネシアと日本の経済交流が盛んになります。 具体的には、日本の企業がインドネシアに工場を作って技術者などがインドネシアに多く渡航します。
また、同時期に自動車産業も多くインドネシアに進出して、現在のようにインドネシアは日本の自動車が多く走っています。 その一方で日本がインドネシアを経済的に支配するのではないかという懸念がインドネシアに広がり、1974年頃には大きな反日運動が起こっています。
日本政府はこの点について反省し、反日運動が起こった原因はインドネシアという国への理解が足りなかったからだと考え、日本とインドネシアが対等なパートナーであり、日本は軍事大国にならない方針を強めました。 その結果として、今日に至るような親日感情を獲得したと言われています。
まとめ
今回はインドネシアが親日である理由と、これまでの外交の歴史についてご紹介しました。
インドネシアの建国の父であるスカルノ元大統領やデヴィ夫人の影響、そして日本のアニメやマンガのコンテンツがインドネシアの対日感情を良好とさせています。 そして、日本とインドネシアも古くから交流があり、日本人もインドネシアに住んでいました。
そして、戦争を経て経済交流を通じて日本とインドネシアは良好な関係になりました。軋轢が何回か発生しましたが、それを乗り越えて今日があります。 ぜひ、参考にしてみてください。