インドネシアでビジネスを始めてからしばらく経つと、会社の人たちやビジネスパートナーと一緒に、社交場にお呼ばれする機会があるかもしれません。

そういった場合、まずはお呼ばれする会がどういった内容のものなのかを確認してみましょう。

オフィスアワー時には、決まりや制服が決められている会社もあると思いますが、お呼ばれの場合には、事前にドレスコードが指定されている場合もありますし、ない場合もあります。

ドレスコードが指定されている場合であれば、それに従えばよいので迷う事はないと思いますが、ない場合には、自分で判断して服装を決めなければいけません。

そこで今回は、オフィスアワー時の服装について、「カジュアル・ビジネス」と「フォーマル・ビジネス」に分類して、ご紹介させて頂きます。

カジュアル・ビジネス

正しいYシャツの選び方

男性と女性の両方に言えることですが、カジュアル・ビジネスとは、ビシッとした清潔なYシャツと普通の長ズボンのスタイルを指します。

男性の場合、Yシャツは長袖または半袖、ポロシャツ、前開きボタンで、色は1色で、模様はあっても四角い模様もしくは細い線が入っている程度のものが相応しいです。

女性の場合、Yシャツもしくはブラウスに膝丈のスカートが相応しい服装です。

ズボン、スカートの選び方

またオフィス時のズボン、スカートについては、男性と女性とも同じ事が言えます。

色は、毎日着用できるよう、黒、紺、薄茶、焦げ茶色を選びましょう。

そして、細い線のデザイン以外は無地を選び、オフィスに相応しくないという印象を与えられないようにしましょう。女性の場合には、スカートの丈は膝もしくはくるぶしの長さのものを選びましょう。

それから、メーデーの前後には、白色のズボンもしくはスカートは、着用しないようにしましょう。

女性の場合多少のデザインは似合うものですが、あまり目を引いたり、大胆なデザインのものは避けたほうが良いでしょう。小さな花や、幾科学模様なら問題ないかも知れません。

上着やセーターの選び方

インドネシアの都市部の気候は、基本的には1年中温暖ですが、オフィスの中などエアコンが強烈で寒いときがあるかも知れません。

そういった場合には我慢せずに、体を温かくしてくれる服装を選びましょう。

男性でしたら、カーディガン、セーター、カジュアルな上着をYシャツの上に羽織れば、立派に見えるでしょう。女性でしたら、セーター、カーディガン、上着やブレザーが良い印象を与えるでしょう。

襟巻きやショールがあれば、更に防寒の効果があるでしょう。

ドレス調(ワンピース)の服装について(女性)

カジュアル・ビジネスの場合では、基本的なルールに則っていれば、ドレス調の服装は問題ありません。

ドレス調の服の丈が膝までもしくはそれ以上の長さがあり、肌に密着しすぎていない、肩をちゃんと覆っているか、というのがポイントです。

模様は、小さい1ポイントで色は1色だけが一番望ましく、そこにアクセサリーを加えるとよい印象が増すでしょう。これにカーディガンを加えて、腕を覆えば、もう準備完了です!

相応しい靴の選び方

カジュアル・ビジネスのオフィスでの靴の選び方は、色々なバリエーションがあり、あなたが働いているオフィスの環境によって様々です。

一般的には、男性と女性は両方とも足を全部覆うタイプの靴が多くの会社で好まれます。

男性の靴は紐靴でないものは避けた方が良いでしょう。

女性の場合はパンプスやハイヒールを履いた方がいいですが、質の高いしっかりとしたものを履いた方が良いでしょう。

一般的には中間色で無地のものを選びましょう。

フォーマル・ビジネス

様々な背広(上下セット)を持つ

実際には、フォーマル・ビジネスの服装はカジュアル・ビジネスよりも判断がしやすいもので、男性と女性は両方とも、背広で中間色の上着を着用する事が望ましいです。

そのため、何種類かの背広の上着とズボンまたはスカートを持っていると良いでしょう。

女性の場合はドレス調のスカートでも問題ありません。上着は体のサイズにフィットするように、単色もしくは細い線が入っている、質の良いものを選びましょう。

スカートの場合は、長さは膝丈で、あまりタイトでないものを選びましょう。

上着の選び方

背広の注意点と同じく、下に着るYシャツは単色や細い線のデザインが入ったもの、体にフィットしていて、質の高いものを選びましょう。

ただ、Yシャツの色については、上着を着てあまり見えないため、多少色のバリエーションを広げても良いでしょう。

男性はYシャツとネクタイのバランスを考えなければいけませんが、女性はきつ過ぎず、ゆる過ぎずで、比較的自由に好きな色を選んでも問題ありません。

ネクタイのバリエーション(男性)

市場などに行けば、ネクタイがたくさん売られていますが、その全てがフォーマル・ビジネスに相応しいかというと、そうではありません。

ネクタイは単色が望ましく、模様が有る場合はせいぜい全体の4分の1以下が理想です。

3-4色以上や、絵や景色が描かれているネクタイは避けましょう。

ネクタイはYシャツと上下の服に合うものを選ばなければいけないので、模様がたくさん入っていて、あなたの服装のバランスを乱してしまうデザインのネクタイを買うのは避けましょう。

 様々なドレス調(ワンピース)の服装(女性)

ドレス調 の服装は、フォーマル・ビジネスの環境でも可能ですが、それには、相応しいモデルというものがあります。

膝丈もしくはそれ以上の長さがあり、きめ細かい模様で単色のものを選びましょう。

きつ過ぎず、ゆる過ぎないものを選びましょう。

そうすると、相手に対してよりフォーマルな印象を与えるので、その上に上着やブレザー、高級感のあるアクセサリーを身につけましょう。

働きやすい靴

フォーマル・ビジネスの仕事はどれでも、質の高い靴が必要になり、普通は革(もしくは同等の質の高い物)から作られたものが良いでしょう。

男性は、足を全て覆う革靴を着用しないといけません。

女性はあまり飾りのついていない、質の高い、パンプスやハイヒールを着用しないといけません。一般的には、中間色が好まれますが、それ以外ですと、ワインレッドや深緑も可能です。

服装で失敗しない為に

ジーパンはNG

カジュアル・ビジネスの中で、誰しもが、ついうっかりしてしまい、見落としがちなのがこれです。

たとえあなたのオフィス環境が、どんなにリラックスとした雰囲気であっても、ジーパンは絶対にNGです。ジーパンはのんびりと過ごす時や、オフィス以外で仕事をする時のみで、相手に対して、あなたが怠慢でいい加減だという印象を与えてしまいますので、十分に注意しましょう。

アクセサリーは最小限に

あなたが、たとえどんなに大小のアクセサリー(ハンドバッグ、仕事の鞄、ベルト、ショールやヘアピンなどなど)が大好きでも、多く身に付け過ぎてしまうと、職場では「若作り」だという印象を相手に与えてしまいます。

男性と女性は両方とも、ネックレス、耳飾、指輪はその場面、場面において、1セット以上を身に付けるのは、避けた方が良いでしょう。

オフィスに持ち込む荷物も、ハンドバッグもしくは仕事用の鞄1つだけにし、帽子もオフィスではNGなので注意しましょう。

刺青

全ての会社が、個人の肌についての個性について、どうこうと言っている訳ではありませんが、ほとんどのオフィスでは、そこで働く従業員は皆、自然な肌でいて欲しいと願っているものです。

もしあなたが、体のハッキリと見える場所に大きな刺青をしていたり、耳たぶ以外に穴を開けていたりしたら、服装などを工夫して、それが見えないようにした方が良いでしょう。

これは、刺青や体の穴自体が悪いと言う訳ではなく、インドネシアが持つ服装文化の伝統に則り、そういった個人の表現はオフィス時間中にはせず、他の人の目に触れないようにすべきなのです。

インドネシアのビジネスで気をつけたいこと 服装編【まとめ】

困ったときのバティック

インドネシアが、世界に誇る文化の1つに「バティック」(ろうけつ染め)があります。

バティックは、ユネスコの世界無形文化遺産にも登録されている、今や世界でも有名なインドネシアの伝統的な染物です。

このバティックですが、皆さんがインドネシアのTVなどを観た時、よくインドネシアの政府の偉い方々が、このバティックを着ている光景を目にした事はありませんか。

それもそのはず、このバティックはインドネシアではフォーマルな伝統衣装として社会で公認されているのです。結婚式、会議、お呼ばれ、表敬訪問などなど、インドネシアでのありとあらゆるフォーマルな場面に、場所を選ばずマルチに対応することができるのが、バティックなのです。

生地は綿や絹、染物は手染めから機械によって様々種類があり、インドネシアそれぞれの地方によってデザインが大きく異なり、その工程内容によって値段も大きく違います。

また男性用、女性用共にデザインや種類が充実している事と、背広と違ってパッと簡単に着用して出かけられるのが一番の魅力です。

また背広はどうしても西洋の文化というイメージが強いので、日本人がバティックを着ていることで、インドネシアの人々により良い印象を与える事ができます。

ちなみに、バティックの場合は、背広と違ってどれもかなり派手なデザインや色調で作られているものがほとんどですが、バティックの場合はどんなに派手でも、インドネシアの人々に悪い印象を与える事はありませんので、思い切ってあなたの好きな色やデザインのものを購入してみましょう。

ということで、今回はカジュアル・ビジネスとフォーマル・ビジネスの2種類の服装とバティックについてご紹介致しましたので、是非ご参考にしてみて下さい。