アジアとアセアン地域に暮らす人々にとっては、エアアジアを聞いたことがない人はあまりいないでしょう。

エアアジアは最良で最安料金の航空会社として、293の路線、そのうち90路線はエアアジアでしか運行していない特別路線を用いて、乗客と目的地をつないでいる、LCC(低価格航空会社)と呼ばれる航空会社です。

2017年には、エアアジアグループは各国のエアアジア(マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、インド、日本)を統合すると、4億3,500万人の乗客を達成しました。

また、2001年には2機しかなかった航空機を2017年までには205機まで増やすという記録を打ち立て、航空業界の中で、さらにその地位を確固たるものにしました。

今回はエアアジアについてご紹介させて頂きます。

エアアジアの経済戦略

歴史

エアアジアはもともと2002年1月当時は、マレーシアで6路線を運行する2機の航空機しか所有していませんでした。

それから16年後、エアアジアは21カ国、119の空港を空と結ぶ航空会社に成長したのです。

そしてエアアジアは現在、20,000人以上の従業員と146億ルピア以上、52兆ルピアもの巨額な資本を市場に持っています。(2018年2月時点)

そしてアセアン独自の航空会社として、6カ国に23の支店を持ち、その従業員数は330万人にも及んでいます。(マレーシア:クアラルンプール、コタキナバル、クーチン、ペナン、ジョホールバルとランカウィ、タイ:バンコク、プーケット、チェンマイ、クラビ、ユータパオ、ハトヤイ、インドネシア:ジャカルタ、バリ、メダン、スラバヤ、フィリピン:マニラ、カリボ、セブ、インド:ベンガルル、デリー、カルカッタ、日本:名古屋)

エアアジアグループの経営方針は、シンプルに無駄がなく、かつ効率的な運用で安い料金を目指すという理念を持っています。その理念を叶えるために、以下の戦略を適用しています。

高度な航空機戦略

エアアジアは全航空機が高く(飛行高度が)、旋回速度を速くすることに集中しています。

この2つの要素のおかげで、乗客の快適さとコストを最大に効率よくすることができます。

エアアジアの航空機の旋回速度はわずか25分で、これは東南アジアの中で最速です。

要らないものは除き、安い料金を実現

エアアジアは安い料金を実現するため、会員制度や空港でのラウンジ制度を設けていません。

ですが、乗客は機内ではもちろん、飲食物やスナックなどを購入することができます。

直行便フライト路線

エアアジアの全短距離路線(飛行時間4時間以内)と中・長距離路線を運行するエアアジアXは、ノンストップで運行しています。

これにより、乗り換え空港での乗務員の寄港や必要施設などに発生する経費を削減することができます。

革新的な予約システムの運用

2004年12月、年数が経過していた機体のボーイングの737型を、より多くの乗客を乗せることができるエアバスのA320型に取替え、燃料コストの削減、安全性の向上により、発生費用をより効率化することができるようになりました。

エアアジアグループは、エアバスのA320型を205機所有しており、最新の機体と数は東南アジアで1番です。この205機の機体には、エアバスのA320セオ型とA320ネオ型と呼ばれる機種があります。

エアアジアグループはさらに2027年までに、ナローボディの航空機を500機まで増やす計画を建てています。

これらの計画と同時に、その経営戦略が功を奏して、エアアジアは、1キロあたりの座席料金が、約3.07米セント(2017年時)という、世界で一番料金が安い航空会社になることができました。

もちろんこの数字は、航空機の安全基準をきちんと考慮した上で勝ち取った数字です。エアアジアは安全運行を最優先し、どの国で運行している航空機であろうと常に定められた安全基準に則って運行を行っています。

またエアアジアグループは、優秀で名高い航空機整備業者と協力し、航空機の状態が常にベストなように航空機の整備にも努めています。

エアアジアが成功を語る上で、革新的な技術を利用した、と言うことが重要な役割を果たした、ということも欠かせません。

オンラインでの航空券予約に始まり、2002年3月以来、エアアジアはアジアでは初めて、航空券なしで販売を開始し,乗客は電話で予約を行い、クレジットカードで決済することができる、ということを可能にしました。

エアアジアは時と共に、乗客との取引を常に簡単にして経費を削減するため、ITのプラットフォームを発達させています。

2010年には、New Skiesという革新的なオンラインシステムを用いて、乗客がさらに便利に航空券の予約ができるようにしました。

こうして利用者が広がっていくと共に、エアアジアグループはフェイスブック、ツイッターやブログも積極的に活用するようになり、そのフェイスブックでのフォロワーの数を見ても、エアアジアが、東南アジアで最も有名な航空会社であることは否定できません。

そして現場での実際の経験をしっかりと糧にした、エアアジアグループの最良の能力が、社会から認められた結果、様々な評価を得ることができました。

おそらく、2009年から2018年までに10年間連続で、Skytraxより、コストを抑えた最良の航空会社、として表彰されたことが、その数ある評価の中でも、最も価値があるものではないでしょうか。

Skytraxからの表彰というのは、イギリス出身の航空機評論会が、世界中の2,000万人の乗客を対象にその意見を調査した結果に基づくものです。

エアアジアはこの表彰を誇りに、これからも乗客の希望を叶えるために、料金を抑え、最良のサービスを心がけ、空に翼を広げて、最良の効率を目指す事を誓っています。

インドネシアでビジネスするなら知っておきたいエアアジアとは【まとめ】

以上、ざっくりとエアアジアの特徴についてご紹介させて頂きました。

乗客(購入者)から見た場合の最大の利点は、何と言っても今回ご紹介させて頂いた通りにその航空券の料金の安さにあります。

また、他の航空会社では運行していない路線とダイヤといったものもその人気に秘密なのかもしれません。

飲食サービスなど、乗客へのプラスアルファのサービスは思い切ってカットする事でその安さを実現しているので、純粋な移動手段としてのみ航空機を利用する乗客にとってはベストであるかもしれません。

ただご承知の通り、エアアジアだけに限らず、一般にLCC(低コスト航空会社)と呼ばれる航空会社の場合には、航空券料金の支払い後(決済後)はその経理上のシステムの構造により、基本的にいかなる理由においても、その支払った料金の払い戻しは望めない(戻ってこない)という点も是非ご承知おき下さい。