インドネシアには軍隊が存在します。
日頃のニュースを見ていると、軍事に関する話題がたくさんあります。日本近郊の軍事ニュースがメインですが、アジアの軍事関連の話題もよく取り扱っていますよね。
インドネシアに関連する軍事ニュースもたまに流れてきます。 このインドネシアに駐在している軍隊はどういった軍隊なのでしょうか?
また日本との軍事的な関係は何かあるのでしょうか? そこで今回はインドネシアの軍隊や日本との関係についてご紹介します。
インドネシアの軍隊
インドネシアには軍隊が存在します。インドネシア国軍が正式名称となっており陸・海・空の3つから成り立っています。
軍隊 | 人数 |
---|---|
陸軍 | 約30万人 |
空軍 | 約7万人 |
海軍 | 約3万人 |
(Wikipediaをもとに作成) インドネシアは海洋国家ですが、海軍や空軍よりも陸軍が多いです。これは外敵からの侵入よりも民族同士の対立など内戦を抑えるために陸軍が数多く導入されていると言われています。 また、徴兵制ではなく志願制となっています。
インドネシアの軍隊が成立した歴史
インドネシア国軍が誕生したのは、1945年のオランダとの独立戦争がきっかけです。この戦争でゲリラ戦を展開した部隊がルーツです。それがインドネシア政府によって軍隊に位置付けられました。 また、インドネシアでは1968年から1998年までスハルトという人物が大統領を務めていました。
この時代にインドネシア国軍はインドネシア共産党に匹敵するくらいの力を持つようになります。 その前に1965年に9月30日事件があり、当時経済政策で失敗していたインドネシア政府を軍のクーデターで失脚させようという試みがありました。
結果的にインドネシア国軍がインドネシア共産党の権力を監視する仕組みになって、軍の影響力が大きくなります。
インドネシアの軍隊の強さ
2023 Military Strength Rankingによると、インドネシア国軍は、2023年現在世界で13番目に強いと言われています。 軍事費は70億ドル(約8,000億円)にも値しており、GDP比で0.7%です。
ちなみに2014年に当時のリャミザルド・リャチュドゥ国防相は「2019年までにインドネシアを軍事ランキングで世界トップ10入りをする」という発言をしており、日本のメディアでは軍拡競争につながると書かれていました。
結果的にトップ10入りしていませんが、インドネシアが軍事ランキングで順位を上げたのは事実です。また、ロシアのウクライナ侵攻もありどの国も自国の軍事について再検討を行っています。
インドネシア国軍と自衛隊の関係
インドネシア国軍と自衛隊は過去に共同訓練を行っています。長らくインドネシアと日本は同じ海洋国家であるということから、艦艇の相互訪問や共同訓練といった軍事交流がメインでした。 一方で2022年は日米インドネシアの軍隊が連携を強める年となりました。
アメリカ軍とインドネシア国軍は「ガルーダシールド」と呼ばれる合同演習を行っています。2022年はガルーダシールドが「スーパーガルーダシールド」に変更され、陸・海・空そして多国間を巻き込んだ過去最大の大きな演習になりました。
このスーパーガルーダシールドでは、日本の他にもオーストラリアやシンガポールといった国々が参加しました。また、オブザーバーという扱いでインド、パプアニューギニア、韓国、カナダ、フランス、イギリスといった軍事大国が参加しました。
連携を強めた背景
2022年に日本やインドネシアなどの国々が軍事的な連携を強めた背景には、やはり中国の存在があります。 インドネシアと中国は直接領有権について争ってはいませんが、インドネシアのナトゥナ諸島と呼ばれる海域では中国の漁船が活動しており主権を主張しています。
中国は南シナ海で東南アジア諸国との領有権問題を抱えており、軍事演習を行うことで中国に自制を促す狙いがありました。 また、アメリカ下院議長であったナンシー・ペロシの台湾訪問とスーパーガルーダシールドの日程が近く、両方で中国を牽制する狙いがあったのではないかと言われています。
非軍事面でも進む連携
日本とインドネシアは違いに自然災害大国です。そのため、人道支援・災害救援という任務においての協力も進んでいます。 たとえば、インドネシア国軍の軍人たちが日本の防衛省でのセミナーや訓練も受けて災害に対する知見を深めています。
ちなみに、日本の防衛大学もインドネシアの国軍士官を受け入れており、これまで約50人が卒業しています。
まとめ
今回インドネシアの軍隊について解説しました。 インドネシアには独立戦争の部隊をルーツとする軍隊が存在します。そして、世界的に見て軍事力ランキングでも上位に位置しています。日本の自衛隊が世界8位なので、肉薄しているのがわかりますね。
また、インドネシア国軍と自衛隊の交流は古くから行われており、実際に両国は親睦を深めてきました。そして、スーパーガルーダシールドを通じ実戦面での連携も強くなっています。 ぜひ、この記事を参考にしてみてください。