インドネシアビジネスは難しく、ビジネスのリスクがあると言われています。
しかしながら、実際にビジネスを行なった経験がなければ、ビジネスリスクがどういったものなのか分かりません。 また、それと同じくリスクの回避方法もわからないですよね。
そこで今回は「インドネシアに潜むビジネスリスクと解決案」をテーマにしてインドネシアビジネスを始める際に気をつけたいことと、備えについて解説します。
インドネシアに潜むビジネスリスクと解決案
インドネシアには以下のようなビジネスリスクがあります。
- 政治的リスク
- 自然災害リスク
- 費用面でのリスク
- 法制度のリスク
- インフラ面のリスク
それでは順番に解説します。
①政治的なビジネスリスクと解決策
政治的なリスクに対する解決策は、現地のニュースなどをしっかりと読んで情報をキャッチしてビジネスへの影響を未然に防ぐことです。
- 政治的リスク:デモや政変
- 解決策:こまめに現地ニュースを読み対策を立てておくこと
まず、インドネシアに関わっている限り、政治的なリスクは日本よりもかなり高くなります。 世界銀行のデータによると、政治腐敗抑制度は日本が21位なのに対してインドネシアは128位です。 政治や社会が安定していないとデモ活動で経済活動が止まってしまうリスクがあります。
少しでも雲行きが怪しいと感じたら、行なっているビジネスへの影響が最小限になるように対策を考えるべきでしょう。
②自然災害によるビジネスリスクと解決策
インドネシアは災害が多く、津波や地震がよく起こります。 そのため、インドネシアでも災害の少ない場所に拠点を構えるか、万が一の対策は行なっておいた方がよいでしょう。
- 自然災害リスク:地震や津波が多い
- 解決策:災害の少ない場所に移動、緊急時の対策を行う
国連大学が発表したデータ「世界リスク指標」によると、インドネシアは世界で34位に自然災害のリスクがある国です。 ちなみに日本は世界で17位なので、インドネシアの方が安全との見方もありますが、世界的に見ると災害が多いのは一緒です。
一方で、シンガポールは自然災害が少ないと言われているので、リスク回避のためにシンガポール拠点を持つか、シンガポールに近いインドネシアの土地に拠点を置くのも選択肢としてはありでしょう。 もちろん、災害が起こっても問題が発生しないように、緊急時にどうするか考えておきましょう。
③費用面でのビジネスリスクと解決策
インドネシアでの人件費は着々と上昇しておりメリットが薄らいでいます。 都市部を避けて少しでも上昇リスクを抑えるべきです。
- 費用面でのリスク:賃金が上昇
- 解決策:都市部を避ける
インドネシアビジネスの最大の魅力は安価な労働力を使えることです。 しかし、インドネシアの経済発展とともに、賃金が上昇して労働力のコストも上がっています。 これはインドネシア政府の政策によって賃金が上昇したことも関係しています。
また、ジャカルタなどの都市部では実際の最低賃金を大きく上回って上昇しているのが実情なので、ジャカルタ以外の街に拠点を作るといった対策が考えられます。
④法制度面でのビジネスリスクと解決策
インドネシアの法制度には規制が存在して、ビジネス進出しにくいといったリスクがあります。 ビジネス環境を整えるために、インドネシアの政界に訴えかける努力も必要です。
- 法制度面でのリスク:規制が多い
- 解決策:政界に変化を促す
日系企業がインドネシアに進出する場合、製造業は100%外資資本が可能ですが、商業などでは規制が存在します。 また、金融業界では、100%日系の会社であっても日本人の働き手が減っており、就労ビザがおりにくいという事態に陥っています。
ビジネス規制が続けば日本を含む外資系の会社や人間がインドネシアで働くことが難しいままなので、この現状をインドネシアの政界に訴えかける必要があります。
⑤インフラ面でのビジネスリスクと解決策
インドネシアのインフラはまだ未発達な面があります。 インフラの発展のために、インドネシアビジネスに携わる人として日本政府による援助を進めるように促すべきです。
- 法制度面でのリスク:インフラの未整備
- 解決策:日本政府の支援を促す
インドネシアのインフラは未発達ながら急速に工事が進んでいます。 この背景には、中国の経済援助があることは確実で、インドネシアの高速鉄道はその典型例です。 しかし、中国は経済援助の一方でASEANに対して軍事的な威嚇で圧力をかけています。
今後のASEANと中国の関係次第では、経済援助が滞るリスクがあるので、リスクの少ない日本が援助できるように働きかけを行うべきでしょう。
まとめ
今回はインドネシアに潜むビジネスリスクと解決策をご紹介しました。
- 政治的リスク
- 自然災害リスク
- 費用面でのリスク
- 法制度のリスク
- インフラ面のリスク
さまざまなビジネス的なリスクがあり、ひとつの企業や個人では対処しきれない問題がたくさんあります。 そのため、それぞれが問題意識を持ち、インドネシア政府や日本政府に声を届けられるようになることが重要です。 ぜひ、参考にしてみてください。