インドネシアでのビジネスは大変だけどやりがいがあると聞きますよね。 インドネシアビジネスは成功すると現地の人たちの役にも立つので、社会貢献できていると実感します。

しかし、その一方でインドネシアビジネスには難しさがあるのも事実です。 困難にぶち当たって、撤退した企業も山ほどあります。

そこで今回はインドネシアでのビジネスの難しさと、撤退の線引きについてご紹介します。

ビジネスに役立つインドネシアの文化を知ろう

 

インドネシアビジネスの難しさ

一般的に言われている、インドネシアビジネスの難しさには以下のようなものがあります。

  • 言語の壁がある
  • 宗教的な違い
  • インフラが発達してない
  • 価値観の違い
  • 社会制度が変わりやすい

これらについて簡単に解説します。

言語の壁がある

インドネシアではインドネシア語が話されており、日本語や英語は基本的に通じません。たとえば、現地スタッフと話す際はインドネシア語が1番理解してもらいやすく誤解がありません。 そのため、コミュニケーションがインドネシアでビジネスする際のハードルになります。

宗教的な違い

インドネシアはイスラム教の国なので、日本とは違って至る所にイスラム教の慣習が根付いています。たとえば、イスラム教にはラマダンという断食を行う文化がありますが、当然断食をすると仕事にも少なからず影響があります。 そうした異文化やイスラム教の教えをしっかりと理解する難しさがあります。

インフラが発達してない

インドネシアは日本に比べてインフラが発達していません。そのため、物流の遅れも生じます。たとえば、輸出入のビジネスをやる場合、商品が手元に届くのが遅くなるリスクが発生します。 ビジネスのテンポをよくすることができない難しさがあります。

価値観の違い

日本とインドネシアでは人が変われば国民性も変わります。たとえば現地スタッフの働き方が日本人と違って真剣に働いてくれずに困る時があります。他にも消費行動が違うなど、国民性を知らなければ上手にビジネスを展開できません。

社会制度が変わりやすい

インドネシアの社会制度は変わりやすいです。インドネシア政府の意向によってビジネスの指針を変更しなければならない時もあります。 たとえば、インドネシア政府が新しい首都に移転を発表した時、企業の中には首都移転にあわせて企業の変革をしなければなりませんでした。

事業の撤退基準とは

一般的に事業を撤退する時には、以下のような判断基準が設けられています。

  • 大赤字を出しており回収できる見込みがない
  • 同業者と張り合えるような会社にできる見込みがない
  • 方向転換をするのが難しい業種
  • 自社や他社を含む業界全体が縮小傾向にある
  • スタッフの技能や志が低い

これらに当てはまる場合はすぐに事業撤退の判断をしなければなりませんが、当てはまっていても撤退しなくてもいい場合もあります。 それぞれ見ていきましょう。

大赤字を出しており回収できる見込みがない

企業が多額の赤字を出しており、なおかつ企業が黒字化する見込みがないときは撤退します。どう頑張ってもマイナスになるだけです。 一方で長期期間で見れば、赤字から黒字になる可能性があるならば事業を継続する経営戦略も取れます。

同業者と張り合えるような会社にできる見込みがない

業界に強いプレイヤーがいてライバルと同じくらいの規模にしなければ市場のシェアを奪えない場合、その規模にできなければ事業撤退をします。 つまりライバルが強すぎる場合は、ずっとシェアを取られ続けるので利益を生み出せない可能性があります。

一方で強いライバルに比べて、自社しかない強みや独自性がある場合はニッチ市場を取れるチャンスです。

方向転換をするのが難しい業種

企業の中には方向転換をするのが難しいものもあります。たとえば、極端ですが今まで農作物を作っていた人に「これからの時代はスマホだ」と言って簡単に作るものは変えられません。 その場合は早く負けそうな事業を畳んで新しい事業を見つけて展開するべきです。

一方で方向転換できなくてもシェアがきちんと取れている会社やライフラインに直結する企業は大丈夫です。たとえば、電気やガスの業者は生活と直結しているのでまず無くなることがないでしょう。

自社や他社を含む業界全体が縮小傾向にある

業界全体が縮小傾向にある時は、事業を早く畳んだ方が損失を出さずに済みます。 たとえばガソリン車から電気自動車への移行が進んでいますが、いつまでもガソリン車を作り続けるのではなく事業撤退して電気自動車を作り始めた方がいいです。

スタッフの技能や志が低い

スタッフの技能や志が低いと、良い事業が生まれません。できるならば優秀な人材を揃えるべきですが、人件費などの問題で人材が確保できない場合は事業を撤退した方がよいかもしれません。

インドネシアビジネスを撤退する時の線引き

インドネシアビジネスを撤退する時の線引きは以下のようになります。

  • 事業的要因:利益を出していない、もしくは見込みがない
  • 人材的要因:優秀な人材がリクルートできない
  • 経済的要因:インドネシアの社会や経済水準に合っていない

それでは順番に解説します。

事業的要因:利益を出していない、もしくは見込みがない

インドネシアに限らず事業をやること全体に言えることですが、自分の事業を客観的に見つめて現段階で利益が出ているのか、利益が出る見込みがあるのかを考えましょう。

具体的には、「1年以内に◯◯円の利益を出さなければ撤退する」など目標を定めた上で撤退を決めたり、「赤字が〇〇円まで膨らんだら撤退」などボーダーを決めましょう。

人材的要因:優秀な人材がリクルートできない

インドネシアには優秀な人材もたくさんいますが、エリートは欧米の一流企業で働くこともあります。そこまでいかなくても、しっかりとインドネシアで輝けるような人材を確保することが大切です。日本人であっても、インドネシアに精通したエキスパートを確保しましょう。

また、仕事上のスキルだけではなく現地事情に詳しいパートナーなどを確保することが大切です。 ローカルのスタッフを確保する場合は勤勉な人材をどれだけ確保できるかですし、ローカルに売り込む場合もローカルを知り尽くした人がいた方がいいです。

これらのことができなければ事業は形になっても成功しない可能性があるので、改善して達成できなければ撤退しましょう。

経済的要因:インドネシアの社会や経済水準に合っていない

インドネシアの経済を分析して、今から商売をすればどういった業界が伸びるのかしっかりと見極めることが大切です。 たとえば、インドネシアは林業が盛んですが、環境保護の動きがこれから強まると市場自体が縮小する恐れがあります。

また、日本と同じような高級なスマートフォンや衣類を売っても、インドネシアの平均所得が日本の購買力に追いついていません。 自分のビジネスがインドネシアの経済枠組みから外れていないかしっかり考えましょう。

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まとめ

今回は、インドネシアでのビジネスの難しさと撤退の線引きについてご紹介しました。 インドネシアビジネスの難しさは文化や宗教の違いなど多くあって苦戦を強いられます。これとビジネスを結びつけると、現地事情を知ってスキルのある人材を確保していかに企業の利益を上げられるかになります。

そして、インドネシア経済という大きな枠組みの中で自分のビジネスがどうなっているのか考えるのも大事です。 ぜひ参考にしてみてください。