インドネシアのビジネスは海外で仕事を行うことと同じなので、準備が日本国内での事業に比べて大変です。 インドネシアから物を輸入して日本で売るならば、主に日本国内の調整で済みますが、インドネシアの現地でビジネスを展開するならばビザの問題が生じます。

ビザの問題はしっかりと準備と手続きをしなければ法律で罰せられるリスクがあります。

そこで今回は、インドネシアビジネスを行う際にビザが必要になる人向けに、ビザの申請方法をご紹介します。

インドネシアのビジネスで英語は使えるのか?

 

インドネシアのビザの種類

インドネシアのビザには以下のようなものがあります。

訪問ビザ

  • シングルビザ(211A/211B) 商談や会議、監査、検査など60日間有効
  • マルチプルビザ(212) 商談や会議、監査、検査など1回で60日間有効
  • 到着(Visa On Arrival)ビザ(213) 観光、商用訪問など30日間有効

滞在ビザ

  • 就労ビザ(312) 就労目的で短期〜6ヶ月、長期〜12ヶ月
  • 留学(316) 留学生向けで12ヶ月間有効
  • 帯同ビザ(317) 就労者の付帯家族向け、就労ビザに準ずる
  • リタイアメント(319) 55歳以上で所持金の条件あり、最大5年間有効

さまざまな種類のビザがあって、大きく訪問ビザと滞在ビザに分けられます。 その名前の通り、訪問扱いなのか、インドネシアに住むのかで分かれています。

インドネシアで働くには就労ビザが必要

商談や会議であれば訪問ビザで大丈夫ですが、現地でビジネスを行うならば滞在ビザが必要になってきます。 しかし、滞在ビザであっても就労ビザでなければ働くことができませんので注意しましょう。 たとえば、以下のような時に就労ビザが必要となります。

  • インドネシアでカフェを始める
  • インドネシアで日本食のショップを立ち上げる

この場合は、法人を作ってスポンサー化を行い、自分に就労ビザを発給する流れになります。 ちなみに、インドネシア人に現地事業を任せて自分は日本からディレクションを行うことも理論上は可能です。

その場合は現地に代表取締役と監査の2人のインドネシア人を配置しなければならないので、人脈というハードルが上がります。

インドネシアで就労ビザを発行する方法

インドネシアで自分も現地で働きながらビジネスを行う場合、以下のような流れになります。

  1. インドネシアに法人を設立
  2. 設立した法人から就労ビザ発給

現地採用ならば就労ビザの発給の手続きと待つだけですが、自分でビジネスを行う場合プロセスが増えます。 それではこれらの2つについて手順を見てみましょう。

インドネシアに法人を設立

インドネシアで法人を開設するとてもおおまかな流れは以下のようになっています。

  1. インドネシア投資庁に投資登録を行う
  2. 定款を作成
  3. 納税者番号(NPWP)・課税事業者番号(PNPKP)の取得
  4. 法人口座開設と資本金準備
  5. インドネシア法務省で会社を登記
  6. インドネシア商業省で会社を登録
  7. 原則許可をもらいビジネスを開始

まず、ネガティブリストという外資参入が禁止されている分野かどうかを調べた上で、投資庁に登録を行います。それと並行して法人の目的や組織を書いた定款(ていかん)を作成します。原本はインドネシア語なので、精通した人物にやってもらうのが1番です。

その後は納税者番号、課税事業者番号を取得しましょう。これはインドネシアでビジネスをやる上で税金を収めるために必要なことです。それから法人口座を開設して25億ルピア(約2500万円)が必要になります。 それから法務省と商業省で会社を登記、登録します。

そうすると、原則許可が降りるのでビジネスを開始できますが、これは一時的なものなので投資報告活動書(LKPM)を3ヶ月に一度の提出しなければなりません。 恒久営業許可を取れば、株式を増やせたり、1年以上の経営で会社売却も可能です。

設立した法人から就労ビザ発給

法人を設立したら、以下の流れで自分へ就労ビザを発給できるようになります。

  1. 労働移住省に外国人従業員雇用計画書(RPTKA)の提出を行う
  2. 外国人労働者雇用補償金(DKP-TKA)を支払う
  3. VITASとITASを申請

まず、インドネシアで外国人を雇う際には外国人従業員雇用計画書にどれだけの人を雇うか、期間などを書かなければなりません。そして、外国人労働者通知を受け取ることになります。受け取り後は速やかに月100米ドルを補償金として指定された銀行に支払います。

そしてまた、今度は手続きの代金を振り込む指示が来るのでその通りに行うと、ビザを申請したい相手についての審査が始まります。 審査に問題がなければ、一時滞在ビザ(VITAS)と一時滞在許可(ITAS)を在外公館で申請しましょう。そうすると空港の入館で一時滞在許可がもらえます。

インドネシア企業と取引のある方へ 注意すべきビジネスアワー

まとめ

今回はインドネシアのビザの申請方法についてご紹介しました。

  1. インドネシアに法人を設立
  2. 設立した法人から就労ビザ発給

大まかな流れとしては、まずはインドネシア法人を設立してからその法人から個人に就労ビザを発給することになります。個人事業主や飲食店のオープンなどもこの手順で行わなければならないので時間とお金がたくさんかかります。

また、インドネシアのビザ申請はルールも変わるので、絶対にインドネシアの日本大使館やJETROのホームページをチェックしておきましょう。 ぜひ、参考にしてみてください。