インドネシアにも銀行があってさまざまな企業を支えています。
インドネシアに長期滞在する予定のある人は、もしかしたらインドネシアで銀行を開設しようと考えている方もいるのではないでしょうか。 インドネシアの銀行は日本と同じように社会を支えているとしても、実際のサービスや使い勝手などは異なります。
実際にインドネシアで生活したことがなければ一体どういった違いがあるのかよくわかりませんよね。 そこで今回は、インドネシアの銀行業は日本とどこが違うのか詳しく解説します。
インドネシアの銀行の特徴!日本と違う5つのポイント
インドネシアの銀行は日本とは以下のような点が異なります。
- 金利が高い
- 口座維持費がある
- 銀行口座を持たない国民が多い
- イスラム金融の存在
- 1回の引き出しは2,500,000ルピアが限度
それでは詳しく解説します。
金利が高い
インドネシアの銀行は日本に比べて金利が高いです。
インドネシアの銀行の金利は大手の銀行を例にすると、4%から5%ほどです。人材グループのREERACOENによると、インドネシアの銀行は普通預金で0.8%、定期預金になると5.5%にもなるといいます。
日本でお金を預けていたとしても、利息は0.1%程度なので預金残高が増えても微々たるものです。これはインドネシアと大きな違いですね。
さらにインドネシアの定期預金は1ヶ月からでも可能なので、もし短期でインドネシアに渡航して就労する予定があるなら定期預金を短い期間でも行ってみるとよいかもしれません。
口座維持費がある
インドネシアの口座を所持すると、口座維持費がかかります。大手銀行であっても、毎月1万ルピアから2万ルピアほどの金額がかかってしまいます。これは日本円に換算すると、100円から200円程度かかることになります。
インドネシアの銀行で利子がつくからといっても口座維持費などで引かれると悲しいですよね。そうならないように、インドネシアで口座を開設する際には、使い勝手がよくて手数料の安い銀行を選びましょう。ちなみにBNI銀行は安いと評判です。
銀行口座を持たない国民が多い
インドネシアでは銀行口座を持たない国民が多いです。
これは銀行業界そのものにも原因があって、インドネシアは数多くの島によって成り立つため、島によっては銀行の支店やATMがなく銀行を物理的に利用できない人々がいるため、銀行の普及率が低いです。
NIKKEI Financialによると、2021年の時点で成人人口の50%が銀行口座を持っていないといいます。
そして、近年ではこの口座を持たない層をターゲットにしたデジタルバンクなどのフィンテック企業がインドネシアに参入しており、彼らが金融サービスを使うようになると人口の多さから巨大なマーケットになるだろうと言われています。
イスラム金融の存在
インドネシアの銀行には、イスラム金融と呼ばれるものが存在します。
イスラム教はコーランの教えに従うものですが、その中にシャリア法が存在します。シャリア法では、金融のルールに関しても決められています。具体的には、以下のような内容です。
- 利子で儲けてはいけない
- 豚を取り扱う畜産業やアルコールにお金を出さない
この他にもさまざまなルールがあって、イスラム教の教えに反するようなところにお金を流さないようになっています。また、銀行の稼ぎどころである利子で稼ぐことが禁止されています。
そのため、ムラーバハと呼ばれるローンなどで稼いでいます。ムラーバハは先に銀行が物品を購入して顧客に流し、後に顧客から銀行が購入した時以上のお金を払ってもらうビジネスです。
1回の引き出しは2,500,000ルピアが限度
インドネシアのATMを使った引き出しは、1回2,500,000ルピアが限度です。
この金額は日本円で約2万5000円です。まとまったお金が必要ならば困ることになるでしょう。また、1日の引き出し限度額は10,000,000ルピア(約10万円)となっています。
そのため、たとえば高級家電をインドネシアで購入したいと思い立ち、現金を持って家電量販店に向かおうと思い立っても現金が足りずに困ることになるでしょう。何度も現金で降ろしていると手数料もかかってしまいます。
また、インドネシアでは大金を持ち歩いていると事件に巻き込まれる恐れもあります。 そのため、大きなお買い物をする時はデビッドカードやクレジットカードを使った方が余計な時間と労力を使わずに済みます。
まとめ
今回はインドネシアの銀行の特徴として日本との違いを5つほど解説しました。
- 金利が高い
- 口座維持費がある
- 銀行口座を持たない国民が多い
- イスラム金融の存在
- 1回の引き出しは2,500,000ルピアが限度
インドネシアの銀行は金利が高いと言われており、投資の広告もありますが実は問題点も多くあることがわかりますね。 特に口座手数料や引き出し限度は使い勝手に困るかもしれません。
ぜひ、この記事を参考にしてインドネシアでの銀行口座開設の参考にしてみてください。