インドネシアの公用語はインドネシア語です。
ビジネスで現地の方とやりとりされる時や、実際に渡航する時に言語を使ったコミュニケーションについて不安になりますよね。
また、どれくらいインドネシアで英語が通じるのかわからない方もいるでしょう。
そんなインドネシアの言語の数や割合、インドネシア語の歴史や言語政策は一体どう言ったものでしょうか。
また、英語はどれほど通じるのでしょうか。
ビジネスの視点から簡単にわかりやすく解説します。
インドネシアの言語の数と割合
インドネシアの言語の数は700以上あり、その中で公用語とされているのがインドネシア語です。
インドネシアは国土の広い多民族国家なので、民族や地域の数ほど言語があります。
そして、民族を超えて意思疎通を図る時に使用するのが、インドネシア語です。
また、2010年の調査である Translators without Borders による「Language Data for Indonesia」によると、主要言語の割合は以下のようになっています。
実はインドネシアで第一言語として使用されているのはジャワ語です。
その一方で、インドネシア語を第一言語としているのはわずか20%程度ですが、インドネシアの人口の94%がインドネシア語を話すことができます。
そのため、インドネシア人とコミュニケーションを取りたい場合はまずインドネシア語を使うとよいでしょう。
ちなみに、インドネシアの言語分布はhttps://translatorswithoutborders.org/language-data-for-indonesiaで確認可能です。
インドネシア語の歴史と言語政策
インドネシア語が公用語として使われていますが、これほど浸透したのはインドネシアの歴史的背景と政府の言語政策があったからです。
インドネシアが独立時に憲法にてインドネシア語が国語として制定され、それ以降に広まりました。
もともと、インドネシアはオランダの植民地でしたが、1910年代に反植民地運動が盛り上がります。
その時の反対勢力が使用していたのが、ムラユ語であり、後のインドネシア語です。
当時は小規模民族の言語であり、第一言語として一番使用されているジャワ語には及びませんでした。
しかし、使用者数が少なかったことから、「他の民族の言語を押し付けられた」という感情が生まれずにスムーズに浸透します。
そして、インドネシア語の文法や用語の標準化が行われて、学校教育やメディアを通してインドネシア語が一般的になりました。
インドネシア語の文字と歴史
インドネシア語の文字はローマ字です。
7世紀には、パッラヴァ文字という独特な文字が使われていました。
その後、イスラム教が浸透して14世紀ごろにはアラビア文字を使うようになります。
そして、現在のようなローマ字が使われ始めたのは、オランダが16世紀にインドネシアを支配し始めてからです。
インドネシアで英語は通じるのか
インドネシアでは、簡単な英語が通じます。
公用語がインドネシア語であるため、人によっては全く通じないというケースもあります。
また、インドネシア語には訛りがあるので、聞き取るのが大変です。
しかし、ジャカルタやバリでは、小学1年生から英語が必須科目となっているので、都市部や観光地では英語が通じる可能性が高いです。
また、大学を卒業している高学歴なインドネシア人の場合ならば、英会話を使いこなせます。
インドネシアの言語法
インドネシアには2019年に施行された言語法があるので、英語だけでビジネスが成り立つとは限りません。
言語法の内容は以下のようになっています。
- インドネシア人やインドネシア法人が関わる覚書や契約書にはインドネシア語を使わなければならない
- 外国当事者が関わる契約書は外国語かインドネシア語を併記できる
- 外国語版は理解を統一させるため、インドネシア語に対応、もしくは翻訳したものとして扱う
- 契約にすれ違いが発生した場合、契約書などで合意された言語が優先される
過去には、インドネシア語の契約書がなかったということから最高裁判所が「労働の契約が無効」という判決を出したこともあります。
言語法の存在を知らなければトラブルの原因となる可能性があるので注意しましょう。
ビジネスで使えるインドネシア語の翻訳
ビジネスパーソンが使えるインドネシア語の翻訳サイトには以下のようなものがあります。
https://translate.google.co.jp
Google翻訳はもっともメジャーな翻訳ツールです。
一方のVoiceTra(ボイストラ)は観光やビジネスなどでもよく使用されている翻訳アプリで、精度の高さに評判があります。
ビジネスに役立つ インドネシアの言語を理解する【まとめ】
今回はインドネシアの言語についてご紹介しました。
インドネシアには数多くの言語があって、その中で公用語として使用されているのがインドネシア語です。
また、インドネシア語はもともと話者数が多くありませんが、言語政策によって浸透しました。
英語だけでビジネスは問題ないとは言い切れないので、インドネシア語もできれば使える環境にしておきたいですね。
ぜひ、参考にしてみてください。