インドネシアの経済成長率は高いと言われています。
インドネシアは日本から見ると新興国という国のグループに位置付けられます。日本より社会制度やインフラが発達してはいませんが、それ以上にとても高い経済成長率を記録しており日本を含めた外国も注目しています。
特にジャカルタの発展を見れば、高層ビルがたくさん立ち並んでおり先進国と変わらない印象を受けるかもしれません。 そこで今回は、インドネシアの経済成長率について、今後の展望を交えながら詳しく解説します。
インドネシアの経済成長率
最近の経済成長率はイレギュラー
世界銀行によるとインドネシアの経済成長率は、2021年の最新のデータでは3.7%と記録されています。 ただし、この数字は少しイレギュラーです。2020年に新型コロナウイルスが世界的な猛威を奮ってインドネシアも影響を受けました。
その結果として、インドネシアの2020年の経済成長率は-2.1%という厳しい数字になってしまいました。 その2020年に比較して3.7%なので、実態としてはそこまで高く経済成長をしていないことになります。
なぜならまだコロナ禍と呼ばれる状態が続いており、初期の感染は落ち着いたものの変異株などの出現があってまだ経済活動に制限がかかっていたからです。 新型コロナウイルスが流行する前の2019年のインドネシアの経済成長率のデータを見てみると、5.0%になっています。
およそ、5%から6%を平時では経済成長率として記録していました。
今後の経済成長率の見通し
世界銀行によると、インドネシアの今後の経済成長率は、2023年から2024年にかけて平均4.9%になると予想されています。
コロナ禍になる前の5%の水準に近くなるでしょう。この背景にはやはりインドネシアの内需型の経済があります。 かつてに比べてインドネシア国内の個人消費は衰えてきたと言われていますが、しかしそれでもインドネシア経済の景気を下支えしておりGDPに貢献しています。
また、自動車ポータルサイトのMARKLINESによると、インドネシアの経済成長が自動車販売も下支えするといいます。
将来的にはGDP第5位になる?
インドネシアは将来的に世界のGDPランキングでトップ5に入るようなポテンシャルを持っています。
ニュースサイトのWedge ONLINEによると、インドネシアはGDPでトップ5に入り日本のGDPを抜くポテンシャルがあるといいます。 現在のインドネシアのGDPは新興国の中では第6位に位置します。 インドネシアは資源国でありニッケルを多く所持しています。
ニッケルはEVのバッテリーに必要なため、インドネシアの重要性が着目されており、EV生産の流れが続けば続くほどインドネシアも潤う構図になっています。 また、世界的に見れば米中対立が起こっており特にテクノロジーの分野では分断ができあがっています。
その中でどの国も難しい舵取りを迫られています。インドネシアはこの局面において中立の立ち位置をキープしています。 中立になればアメリカと中国のどちらとも経済交流ができ、実際に両国のテクノロジー関連の企業がインドネシアに投資を行って競走の舞台になっています。
アメリカと中国にすれば陣取り合戦に過ぎませんが、インドネシアは両国の旨みを吸い取れるので上手に泳いでインドネシアの経済発展に貢献しています。 ちなみに、日本はアメリカ側についているので、インドネシアのように米中両国のいいところ取りをすることはできません。
インドネシアの経済リスクは?
インドネシアの経済リスクはいくつかあって代表的なものは以下の通りです。
- 自然災害のリスク
- 中国依存のリスク
インドネシアは日本と同じように災害大国です。スマトラ島沖地震のようにマグニチュード9クラスの地震もありますし、火山の噴火リスクもあります。
また、ジャカルタであれば洪水のリスクなども存在します。 「大きな災害が発生してしまうかもしれない」という人々の思い込みで経済活動が停滞する可能性もありますし、本当に災害が起こって物理的なインフラが停止する可能性もあります。
一方で国際関係を見れば、2020年以降にインドネシアには中国資本が多く流れ込みました。米中の割合は1:4となっています。なんらかの理由で中国がインドネシアに対して制裁を行うと中国依存のインドネシア経済は大きなダメージを受けます。
反対にアメリカ側が中国に対して制裁を行う場合も、インドネシアに進出している中国企業も影響を受けるので結果的にインドネシア経済もダメージを受けるでしょう。
まとめ
今回はインドネシアの経済成長率について詳しく解説しました。
インドネシアの経済成長率は、およそ5%程度で先進国に比べて高い成長率を維持しています。 新型コロナウイルスの影響を受けましたが、回復も早く今後も日本を抜くポテンシャルを持っているということで期待されています。 一方で自然災害や中国依存のリスクは拭えません。
ぜひ、参考にしてみてください。