インドネシアでは、東南アジア最大の都市として、その資本投資の可能性から多くの外国人投資者をひきつけている首都ジャカルタ以外にも、ビジネスに適した都市があります。

またインドネシアは更に多くの可能性を持っており、それはジャカルタだけはありません。2012年の世界銀行のまとめによりますと、インドネシアの総人口の51%は、都市部で生活しています。

つまり、1億2,500万人はインドネシアの都市部で生活をしていることになり、この数字は今後も右肩上がりで伸びていくと予想されています。

このような状況からも、インドネシアは、大きなビジネスのチャンスの可能性がある場所となる、たくさんの原石(条件)を持っていると言えます。

今回はインドネシア国内の大都市の中で、ジャカルタ以外で、外国からの資本投資が盛んな5つの都市をご紹介致します。

インドネシアでビジネスに向いている5つの都市

1. スラバヤ  (東ジャワ州)

インドネシアで第2の都市と言われているスラバヤは、多くの外国からの資本投資家が盛んにビジネスを行う事に成功しており、全人口のうちの、280万人という豊富な労働人口がそれを支えています。

それ以外にもスラバヤは、インフラ整備が進んでおり、ローカルと外国用、両方のための交通機関も整えられています。

スラバヤは2011年には、資本投資の主要都市に認定されたことにより、近年資本投資が急速に進んでいます。そしてスラバヤの将来のビジネスの高い可能性の展望として、下記があげられます。

  • 製造会社は労働者の最低賃金が比較的低く、最高賃金も304万5,000ルピアほどです。 (@米ドルUSD 234 *換算レートIDR 13.000 = 1 USDの場合で).
  • 稲作、牛乳、タピオカ、タバコ、ゴム、とうもろこし、砂糖、魚と海老といった農業も盛んで、スラバヤや東ジャワで盛んに作られています。
  • スラバヤには既に、大きな摩天楼のような高層ビルが建てられているので、建設業も期待されています。
  • 販売・サービス業も、この大都市には大型スーパーマーケットやショッピングモールが多く存在し、スラバヤの人々もまた高い購買意欲を持っているので、期待が持てます。

2.メダン (北スマトラ州)

メダンという都市にも大きなビジネスチャンスがあり、大きな港と国際空港を持っているので、商業目的の会社は、メダンからインドネシア市場に入り易いという地理的な利点を持っています。

その他にも、メダンは大きな可能性をいくつか持っておりその要因として下記があげられます。

  • 地理的条件に恵まれているので、貿易に適している。
  • 豊かな土壌を持ち、農業分野に適している。
  • インドネシアで一番大きなショッピングの都市であること。
  • 文化と歴史が深い、多くの観光地があること。
  • シンガポールと地理的に近い事。

3. バンドゥン (西ジャワ州)

バンドゥンの魅力は、何と言っても教育産業とクリエイティブ分野にあると言えます。

バンドゥンでは、教育レベルの高い大学や建築、デザイン、IT、映画、ファッションなどの、高度なクリエイティブ産業を生み出す事で知られています。クリエイティブ産業の、いわゆる中小企業の多くはバンドゥンで誕生しています。

その他にバンドゥンは、買い物ができるお店がたくさんあって多くの人が訪れることで、これによって販売・サービス業も盛んです。さらにバンドゥンを選ぶ要因を挙げると、

  • クリエイティブ産業にとっては絶好の場所なので、クリエイティブな環境と世界を更に広げる事ができる事。
  • 資材や材料などを多く必要としない、情報技術や通信などの分野での、ビジネスの可能性が高い事。
  • バンドゥンには多くの有名な大学があって、教育水準の高い人材が豊富にいる事
  • 他の都市と比べて、インターネット接続環境がよいと言われている事。
  • バンドゥンには豊富な技術系の資源があるため、技術系の会社にとって絶好の環境と言え、ハイレベルな工科大学がそれを後押ししている事。(ITBバンドゥン工科大学も含めて)
  • バンドゥンはビジネスを最初に始めるためには相応しく、将来はインドネシアのシリコンバレーになることを期待されている事。

4.パレンバン (南スマトラ州)

パレンバンは、資本に対する収入の割合がインドネシアで一番高い都市です。

パレンバンは、2004年のインドネシア・スポーツ大会、2007年のアジアカップや2011年のアジア・シーゲームといった、インドネシア国内や海外のスポーツ競技の大会を何度か開催するうちに、注目を浴びるようになりましたが、どうしてパレンバンが選ばれたのか、下記にその理由をあげます。

  • 地理的要因。
  • パレンバンは、インドネシアの経済のパイプラインの1つだと言われてる事。
  • パレンバンには、質の高い人材があり賃金が比較的安いため。
  • 天然資源に恵まれていて、炭が豊富な事。
  • 港や鉄道の整備が重点的に進められているため、今後物流の問題が飛躍的に向上すると予想されている事。
  • 農業分野でも進歩しているが、冷蔵保存システムが不足しているので、これが逆にビジネスチャンスであること。

5. スマラン (中部ジャワ州)

200万人の人口を抱え、スマランは中部ジャワ州で国内と海外ともに流通・販売市場を的確に見極める中心として栄えている。

流通の流れを簡素にすることは、とてもシンプルなことですが、スマランで発展させる事ができそうなビジネス分野をいくつかあげてみます。

  • 中部ジャワは農業が盛んな肥沃な州で、主要農作物は稲作で、おいしいお米が取れる土地として有名なので、食品産業にとても適している事。
  • スマランは、その周辺の衛星都市による多くの産業地域に囲まれているので、新たな産業開発を行うために地理的に適している事。
  • スマランは、食品・飲料製品の産業と繊維産業の開発に力をいれている事。
  • 商業、金属、機械、ホテル業(スマランには多くの海外企業が進出している)や化学産業にも適している事。

インドネシアでビジネスするならどこの都市【まとめ】

まずは、あなたが行うビジネスの分野が何なのかというポイントが、インドネシアでビジネスをする都市または島を選ぶための大前提になります。

その後に、国内・国際移動の利便性、治安、気候などを考えるのがベターだと思います。インドネシアは東西5,000キロ以上という広大な地域に大小の島々が点在している国なので、基本的に都市間の移動は飛行機を使いますので、ビジネスをする都市に空港(できれば国際空港)があった方が、色々と便利だと思います。

また治安もとても重要です。ビジネスチャンスがある大都市ということは裏を返せば、成功を夢見たが結局失敗してしまい、悪い事に手を染めざるを得ない人々もたくさんその都市に住んでいる事でもあります。

そういう意味では、今回ご紹介させて頂いた都市の中では、別名「学園都市」と呼ばれているバンドゥンは学生が多い為、治安も比較的に安全です。

また高原都市のため、常夏のイメージのインドネシアにあって、気候が年間を通して涼しいので、初めてインドネシアで生活する日本人にも暮らし易いと思います。