インドネシアでビジネスをしたい外国人は、ビザと労働許可を取得しなければなりません。今回は取得する為の条件とプロセスをご紹介致します。

まず最初に、オンライン上のインドネシアでのビザ申請に関する情報というものはあくまでも、その情報が作成された時点での最新情報ということになります。

インドネシアでの入国管理局の法令はしばしば変わりますので、あなたが把握している情報が最新のものかを常に確認する事が必要です。

インドネシアでのビジネスビザについて、全体を把握して見直してみることで、これからインドネシアでビジネスを行いたいと考えている会社や個人、従業員や独立した人、全ての人々に条件とプロセスを理解してもらえればと思っています。

*ここに記載している情報は2021年9月現在のものですので、最新の情報に関しては、ご自身で再度ご確認下さい。

インドネシアでのビジネスビザについてのよくある誤解

ビジネスビザ対長期滞在

多くの外国人はきちんと理解しないまま、ビジネスビザ=長期滞在許可だと思っています。正確に言うと、ビジネスビザの正式な名称は、この申請書類を通して、インドネシアの入国管理局機関があなたの労働許可を発行し、RPTKA公認と呼ばれます。

RPTKAというのは、外国人労働力運用計画公認の省略で、申請書類を業務別、役職、インドネシアでの外国人労働者の就労年月などに細かく分けたものです。

2021年3月、インドネシア政府は労働省発行で、外国人労働力運用について法令を見直しました。それによると、RPTKA公認は、長期滞在ビザを与える為の前提であるとしました。その結果、あなたが長期滞在ビザ(VITAS)を受け取った後, インドネシアの入国管理局があなたの長期滞在許可(KITAS/ITAS)を発行することになりました。

それでは、インドネシアの長期滞在許可と労働許可についてもう少し詳しくご紹介させて頂きます。

労働許可対ビジネスビザ

多くの人は、インドネシアでの労働許可とビジネスビザの違いについて知りません。例えばあなたは建築家だとしましょう、ある建設計画の案件を進めるため、海外で開かれる会議にあなたが参加しなければいけない、またはあなたの会社から、誰かスタッフを海外に派遣しなければいけない場合、どちらのビザが必要になるか知っておく事は非常に重要です。

一般的にインドネシアでビジネスを行う際に用いられるこの2種類は、ビジネスビザと労働許可で、もっとも重要なこの2種類の違いは以下の通りです。

  1. ビジネスビザは、インドネシアで行われるビジネスに関連するもの:セミナー会議、無償訓練など。そもそもこのビザでは、労働することはできません。
  2. 一方労働許可は、労働力もしくは、労働者として働き、賃金や給料を受け取る事です。

これがインドネシアでのビジネスビザと労働許可の一般的な違いです。

インドネシアでの労働ビザについて知っておきたいこと

インドネシアの労働省は、インドネシアでの労働ビザが取得できるための条件として、外国人労働者の条件を以下の通り定めています。

  • 政府機関、国際省庁、大使館や総領事館。
  • 外国貿易、新聞社、外交関係。
  • 民間企業。
  • 外国法律団体、有限会社、財団、その他インドネシアの法に則り承認をえた団体。
  • 社会機関、宗教団体、教育・文化団体。
  • 娯楽施設運営会社。
  • その他、外国人労働力を雇用する事を、法によって認められた事業団体。

ちなみに、個人で経営する会社の場合CVという名前で有名ですが、CVの場合は、外国人労働力を使うことは許可されていません。

(2021年8月現在)

RPTKA公認を得る為、条件を満たす雇用主は、雇用主の身分に関する詳しい情報、外国人労働者を雇う理由、雇用後の外国人労働者の会社内での役職、外国人労働者数、業務内容、労働契約期間などが記入された申請書類一式をそろえて申請しなければいけません。

申請が終わると、労働省は適切な内容かどうかを確認してから、RPTKA公認を発行します。

外国人従業員のために

労働省によれば、インドネシアで労働許可を得る為の、外国人労働者の条件は以下の通りです。

  1. 学歴と役職が、定められている条件を満たしている事。
  2. 役職についての労働経験が最低5年あること。
  3. 知識と能力をローカルのパートナーに享受できること。

外国人労働者がつくことができない役職も定められているので、それも覚えておきましょう。労働省によると、外国人は以下の役職につくことができません。

  • 会社社長
  • 工業関係のマネージャー
  • 人材発掘のマネージャー
  • 人事管理
  • リクルート管理
  • 昇進・雇用管理
  • 従業員のキャリアについてのスーパーバイザー
  • 総務
  • 人事とキャリアのスペシャリスト
  • 人事のスペシャリスト
  • 業務顧問
  • 顧問と業務カウンセラー
  • 従業員の調整人
  • 業務訓練総務
  • 業務インタビュアー
  • 業務分析
  • 業務安全管理スペシャリスト

インドネシアでの労働ビザ申請のプロセス

申請プロセス

インドネシアで労働許可を申請するのはとても労力がかかることなので、あきらめずに最後まで実施することが重要です。以下がその一般的なプロセスです。

  1. あなたのスポンサーとなる会社があなたの労働許可について、インドネシア労働省経由、RPTKAからの同意を得ていること。
  2. あなたのスポンサーとなる会社が労働許可前のプロセスを行うと、あなたのインドネシアでの労働と滞在許可の期間が知らされます。
  3. 前金として、米ドル100/毎月がDKP-TKAに支払われます。
  4. 労働許可が承認されると、あなたはインドネシアで合法に、働く事ができるようになります。
  5. あなたの労働許可に基づいて、インドネシアの入国管理局は長期滞在許可(VITAS)をあなたに発行します。
  6. あなたはインドネシアに入国後、VITAS をKITAS に変更する手続きを行わなければいけません。

例外

  • 株式市場における株主で、特定の外国人企業家、監査役には RPTKA公認が必要ありません。
  • PTKA公認は外交や領事目的の外国人には必要なく、ローカルの雇い主に、緊急で雇用される場合や、インドネシアの技術を基に新たな分野の開発に関わる業務の場合にも必要ありません。尚、この場合の滞在期間は3ヶ月までと定められており、それ以降はRPTKA公認を得ないといけません。

インドネシアでの労働許可の有効期間

インドネシアでの労働許可の期間は1~12ヶ月で、あなたの労働分野またはスポンサー会社からRPTKA公認に承認されている内容によって変わります。

以下が、インドネシアでの労働許可の種類別の労働許可の期間です。

突然必要になった労働許可

この労働許可の有効期間1ヶ月で、社会またはスポンサー会社への問題発生を防ぐ為、突然必要になった、今すぐに着手しなければならない種類の業務に有効です。

暫定的な労働許可

この労働許可の有効期間は2~6ヶ月で、貿易関係やコンサルタント業務に従事する外国人に適用されます。またメンテナンスや機械施工業務に従事する外国人にも適用されます。

長期期間の労働許可

通常の労働許可として知られているのがこの労働許可で、7~12ヶ月の有効期間があり、会社のマネージャー、取締り役や監査役レベルの能力の高い現地在住の外国人に適用されます。

労働許可を保持していない場合の罰則

労働許可と労働ビザの違いについて困惑した結果、外国人や投資家の中には、間違った決断をしてしまうことがあるかも知れません。取締役もしくは、インドネシアのある会社の役員のため、労働許可を取得しなければいけないのです。

例え故意でなくても、労働許可を取得していなければ、それはインドネシアの入国管理局の定める法令に違反した事になります。

違反した雇い主は、3,600万ルピアの罰金が課されます。

インドネシアで労働許可無しで労働した外国人に対しては、入国管理局の法令に基づき、5億ルピアの罰金と5年間の刑期が課されます。

このような事態を避ける為に、つねにビザの申請をお手伝いしてくれるエージェントから最新の情報を入手して確認する事に努めましょう。

インドネシアでのビジネスビザ取得の注意点【まとめ】

私たち外国人が、ビザ代行のエージェントを全く介さずに、労働許可の申請をして許可をもらうことは至難の業です。というのも、インドネシアの労働省や入国管理局に代表される、政府機関には昔ながらの官僚体制がしっかりと残っている事がその理由の1つです。

例えば時は金なりの諺の通り、あなたはインドネシアという可能性の国で、どうにかしてビジネスチャンスを掴みたい、と貴重な時間と労力を使って労働許可申請をするとしましょう。ところが、残念ながらあなたのそういった懸命な気持ちは、官僚体制に浸かりきった労働省や入国管理局の役人には届く事はありません。彼らからすればそれらは、毎日のペーパー業務でしかなく、言葉は悪いですが、1枚の書類に目を通してスタンプを押すまでにダラダラと時間を持て余して他の事に専念し、その書類はほったらかし、ということも決して少なくありません。

そのためインドネシアには、そんな外国人をサポートしてくれるビザ代行会社がたくさんあります。ビザ代行会社にお願いをすれば、もちろんそのための費用はビザ申請のための費用とは別に追加でかかってしまいますが、お役所で、いわゆるたらいまわしにされるだけで、にっちもさっちもいかないという事態は避ける事ができますし、あなたもその間に別のことに大切な時間を使うことができます。またビザの代行会社を選ぶときの注意点ですが、事前にその会社のホームページ、口コミや評判を徹底的に調べるようにしましょう。

ビザの代行会社はその業務の性質上、あなたのパスポートはもちろん、色々と大事な個人情報を扱う会社です。何が一番大切かといえば、それは信頼性です。

あなたの周りの信頼がおける人に色々と聞いてみて、一番信用ができると思った会社を選ぶようにしましょう。

もちろんビザ申請の代行費用が、より安ければそれにこしたことはありませんが、この種の業務の費用というのは、大方相場が決まっているものですので、あまりに高かったり、安かったりする場合には、疑ってかかる方が良いでしょう。またビザ申請が完了するまでに要する日数も、会社によって違うものですので、とても大事なことなので、ビザの代行会社の選定には時間と労力を惜しまずに使いましょう。