世界中で急激な発達を見せている産業の1つに電子商取引、いわゆるe-コマースがあります。

これは、皆さんもう良くご存知の通り、インターネットのオンライン上で物の取引が行えるシステムで、私たちの現代の生活の中でとっても身近なものになっています。

これはインドネシア国内においても例外ではなく、それどころか、e-コマースにおいてインドネシアは、東南アジア内で一番の市場を持っています。日本と比較した場合、その市場規模(取引総額)ではまだまだ歴然とした差(日本はインドネシアの10倍)があるものの、その成長率で比較した場合には、日本の0.99%に対して、インドネシアは27%と今後、市場がどんどんと膨らんでいく可能性を秘めています。(いずれも2020年のデータ)

インドネシアの国内どこにいても、高品質なものや外国製品はもちろん、使い捨て製品のような安価なものまで、はたまたオートバイの部品や植物にいたるまで、文字通りありとあらゆるものを売買する事ができる、現在のインドネシアのe-コマースについて、今回はご紹介させて頂きたいと思います。

インドネシアで今注目のビジネスe-コマース

東南アジア市場での規模

取引総額

2018年時点でインドネシアの年間の取引総額は1,200万米ドル以上にのぼり、2位のタイの300万ドル以上を大きく突き放している。

成長率

この数字はもともと東南アジアの市場全体が2015年-2018年までの3年間で、62%の成長率を記録している中での数字なので、この事からも、将来のインドネシアのe-コマース市場の発展性が伺えます

労働人口

インドネシアの各種労働人口の割合を見ると、30%以上の人々が農業、20%以上の人々が販売・サービス業(以下略)の中で、農業に従事するいわゆる地方を生活の拠点とする多くの人々も、e-コマースが利用できる事によって、インドネシア全体のe-コマース市場が大きく伸びているのがその要因の1つです。

e-コマースの利用率は世界一

インドネシアのe-コマース利用率を世界の国々と比較すると、インドネシアの人口2億7,223万人(2018年時点)の88.1%が利用していることがわかっており、その数字は第2位のイギリスの場合で、人口6,708万人の86.9%です。e-コマ-スの利用率が世界で一番ということは、将来的にその取引総額もどんどんと伸びていく事が予想されています。

e-コマ-スの申し子”ミレニアム世代”

インドネシアのe-コマースの利用率を各年代別で比較すると、18歳-25歳の利用率が36%、26歳-35歳の利用率が49%にものぼります。つまり1995年から2000年台生まれの”ミレニアム世代“がその多くを占めており、その要因として、インドネシアに初めてインターネットが登場した1990年以降、インターネット技術の発達とともに彼らが成長してきたからだと考えられます。

インドネシアのe-コマースの利点

・どこにいても簡単にアクセスができること。

・販売者は最小の資本金でお店を経営することができること。

・販売したいものを、豊富なアプリの機能により、見やすく商品を紹介する事ができること。

・欲しい豊富や種類の商品を見つける事ができること。

・地理的な制限がないこと。

・購入者からの評価システムにより、販売者(商品)の信用性を知ることができること。

・販売者と購入者のコミニケーションの機会が増える事。

インドネシアのe-コマース主要アプリ

種類

  • SHOPEE:インドネシアで現在一番人気のアプリで、ユーザの割合が圧倒的に女性が多いのが特徴です。(79%が女性
  • TOKOPEDIA:2009年からサービスを開始した、こちらもインドネシアでは人気のアプリで、機能についてはSHOPEEとほとんど同じです。
  • LAZADA:シンガポールで最初にサービスが始まったアプリで、こちらもインドネシアでもユーザーが多くいます。
  • BUKALAPAK:こちらは2010年にインドネシアでサービスが始まったアプリで、機能については他者のアプリとほとんど同じで、インドネシア国内に数百万のユーザーがいます。
  • BLIBLI:2011年にインドネシアで開始されたアプリで、B to B, B to CやB to B to Cを主なサービスとしています。

インドネシア人が特定のアプリを選ぶ理由

・送料のディスカウントがあること。

・一度覚えたら使いやすいので。

・取扱商品の豊富さ

・各種画面の見易さ、分かり易さ。

といったものがあげられ、その中で一番多かった答えが、

各種割引、プロモーションがあるかどうか

だそうで、これはインドネシアに限らず、日本も含め世界中で共通のキーワードかも知れません。 

インドネシアで注目のビジネス

ジャワ島以外の地域のポテンシャル

東南アジア1番のe-コマース市場を持つインドネシアには、主要都市があるジャワ島以外の

地域では(西ヌサトゥンガラ州、ブンクル州やパプア州)今後特に、市場が著しく伸びていくのではないかと予想されています。

ファッション、美容・健康の商品

インドネシアでは、ファッション、美容・健康の商品を販売する業者によって、そのe-コマースの主要部分が占められており、このジャンルを扱う業者が”マーケット・プレイス”を利用して、更に多くの消費者を獲得していくと思われます。

また、小売業者、販売業者と関連して、新しいブランドを立ち上げて販売する業者が増えてきていることも、市場をさらに拡大していく事を後押ししています。

一方消費者は

またインドネシアの消費者の最近の傾向として、”オンライン”と”オフライン”を一度に利用するということがあげられます。これは、20%のインドネシア人の消費者は通常、一般のお店で物を購入する前に、オンラインのお店で物を調べているという調査結果です。

 つまり、両者は切っても切り離せない存在になってきているという事です。オンラインでの評価が高いブランドは、一般のお店での売り上げも伸びる可能性が高いということです。

以上の3点をよくよく考慮しながら事前に学習して戦略を練ることで、ビジネスの成長を最大限に促す事ができるのではないでしょうか。