世界第4位(2019年現在2億7,062万人)の人口を誇る、東南アジア最大の国がインドネシアです。
美しい自然と資源に恵まれた大小1万3千以上の島々と、そこで独自の文化・風習を持つ人々が暮らしている様子は、『インド洋に浮かぶ宝石』と形容されています。
その島々の中で、首都ジャカルタをはじめインドネシアの政治・経済の中枢を担っている島が『ジャワ島』で、ジャワ島には1億3,700万人もの人々が暮らしています。
今回はこの『ジャワ島』を中心にご紹介させて頂きます。
ビジネスに役立つ入国前に知っておきたいインドネシアの基礎知識
事前に知っておきたい基本情報
事前に知っておきたい基本情報1:入国(ビザ)
2022年1月現在、インドネシアに入国する場合は、到着ビザが今の所停止されている為、事前に訪問ビザを取得しないといけません。ビザの取得については最寄の旅行代理店等にお尋ねいただくのが確実です。
事前に知っておきたい基本情報2:時差
日本とインドネシアの時差は首都ジャカルタのある『ジャワ島』でマイナス2時間の時差がありますが、東西に広大なインドネシア国内では3つの時間帯が存在するので、注意が必要です。
事前に知っておきたい基本情報3:宗教・文化
インドネシアの80%以上の人々はイスラム教を信仰しているため、世界最大のイスラム教徒を有する国でもあります。しかし、インドネシアの憲法では信教の自由が認められており、国教として『イスラム教』が定められているわけではありませんので、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教などを信仰する人々もいます。基本的には皆敬虔な信仰者が多いので、宗教的・文化的なタブーを事前に勉強しておき、現地の人々に失礼な事がないように準備しておく事が、ビジネスを成功させるコツの1つです。
宗教的・文化的なタブーの例:頭を触る、人前で叱る、左手で物の受け渡しをする、相手に対して指をさすなど。
事前に知っておきたい基本情報4:親日国インドネシア
インドネシアは歴史的に、日本軍が太平洋戦争で敗れて撤退した後、旧植民地国だったオランダ軍相手に独立戦争を繰り広げました。その際に、インドネシア軍に加勢した元日本軍兵士たちが多数いたため、インドネシア人の中には親日家が非常にたくさんいます。また最近では特に若者の間で、日本のアニメ、アイドル、ファッションが人気で、日本が好きな若者が多くいます。
事前に知っておきたい基本情報5:祝祭日
またインドネシアでは宗教関連の祝祭日が多く(年間15日ほど)、その中の毎年行われるイスラム教徒の大祭では、その前後2週間くらい、『インドネシア国民の大移動』と呼ばれる帰省ラッシュが始まるため、空路・陸路などの全ての交通機関が混雑するので事前に注意が必要です。
事前に知っておきたい基本情報6:インドネシアの通貨
インドネシアの通貨はルピア(Rp)です。紙幣では1千、2千、5千、1万、2万、5万、10万がり、コインでは50,100,200,500,1千があり、1万と10万が紙幣の色が似ていて間違えやすいので、注意が必要です。またスーパーやコンビにでは(特に田舎の)1千以下のお釣りは切り捨てされたりキャンディで代用される場合がありますが、文句を言っても仕方が無いので、素直に受け入れてあげましょう。
事前に知っておきたい基本情報7:電圧
インドネシアの電圧は220ボルトで周波数は50ヘルツです。またプラグ形状は丸ピン2本足タイプとなっております。日本の電化製品を利用する場合には変圧器やマルチプラグが必要になります。
事前に知っておきたい基本情報8:チップの文化
インドネシアにビジネスで暮らし始めると、現地の運転手さんやメイドさんを雇う(もしくは会社から支給される)ケースが少なくありません。そういった場合には、前述させて頂いた、長期休暇の前や何か特別なお願いをした時には、チップを渡してあげるのがマナーになっています。日本人の感覚では最初は分かりにくいので、インドネシアの生活に慣れている知り合いの日本人に、大まかな相場を聞いて参考にしておくと良いです。
事前に知っておきたい基本情報9:お金の貸し借り
インドネシアで暮らし始めてからある程度の日数が経過し、現地の人々と知り合いになったりしてある程度親しくなったりすると、相手から「お金を貸してもらえませんか」と頼まれる事が出てくることがあります。この場合言葉では、貸して、という表現を使っていますが、実際には貸しても返ってくる可能性は低いので、相手が人間関係上どうしても貸してあげないといけない場合は、それを覚悟した上で、「希望の金額全部は貸せないけれど、半分ならあげられます」などと説明して、上手に対応するようにしましょう。
経済でみるインドネシア
経済でみるインドネシア1:経済規模
インドネシアのGDPの規模は15,434.2兆ルピア(2020年)で、日本円に換算するとおよそ120兆円弱となります。この数字はASEAN全体の中で約35%を占める大きな数字です。
インドネシアは2045年に世界トップ5の経済大国となる目標を掲げており、そのための積極的な外資誘致を進めようと政策を進めた結果、2020年に当地の複雑な投資関連法案をまとめた「オムニバス法」が成立しました。
経済でみるインドネシア2:地下鉄・電子マネーのサービスの流通
首都のジャカルタではここ数年の間に、念願だった地下鉄が完成しました。2,200万人以上の人口を抱えるジャカルタでは、深刻な道路渋滞や大気汚染がこれまで大変深刻な問題になっていましたが、日本の企業も多数参画したこの建設により、問題の解決に繋がる事が期待されています。
またインドネシアの都市部では、電子マネーの運営会社が配車サービスや宅配サービスを提供しているため、現金決済の必要がほとんどない生活が実現されています。
経済でみるインドネシア3:産業別就労者数
産業別に見た場合、農林水産とサービス関連に多くの就労者(30%以上)が占めるが、一方で製造加工の就労者は少数(14.1%)にとどまっており、脆弱な輸出の問題を抱えるインドネシアとしては、産業構造の高度化や輸出促進の観点から、製造業の規模拡大や就労者の増加を目指しています。
経済でみるインドネシア4:日本語学習者
日本企業のインドネシア投資は1970年代から続けられているため、インドネシア人が将来、現地の日本企業に就労するため中等教育で第2言語として日本語を学ぶ学生はたくさんいます。
彼らの多くは、「高い賃金を得たい」、「日本の文化が好き」といったこを理由に将来日本で就労したいと希望する若者が多くいる一方、「日本は時間や規律が厳しい」、「非常に組織的」、「お祈りの時間が確保できるのか」や「ハラ-ルフードが手に入るのか」といった、インドネシア人ならではの不安や心配の声も多数あがっています。
インドネシアビジネス成功の秘訣3ヵ条
インドネシアビジネス成功の秘訣1:いつも笑顔を大切に
インドネシアの人々はどこに行っても皆笑顔が素晴らしくて、どこに行っても仕事の最中でもニコニコ笑っている人が少なくありません。これは国民性もありますが、心が豊かな象徴でもあると私は思っています。日本人だけではなく、無愛想な人はインドネシア人同士でも嫌われがちなので、よい人間関係を抜きにビジネスはできませんので、まずは笑顔を心がけましょう。
インドネシアビジネス成功の秘訣2:相手の立場を常に考えてあげる
これはインドネシアでのビジネスに限った事ではないと思いますが、皆人にはそれぞれの「立場」や「プライド」があります。インドネシア人の人々は皆いつもニコニコしていて、めったに怒ったりすることがない反面、非常にプライドが高くて、自分の立場を重んじるので、それを間違って傷つけてしまうと、二度と修復できない可能性もあります。また日本人の文化と違って、人前で怒られることに慣れしていないので、いかに上司や目上の人からであっても、怒られたり、叱られることを極端に嫌う文化なのでくれぐれも注意しましょう。
インドネシアビジネス成功の秘訣3:何を頼んでも時間がかかる
就労ビザの申請など、他のお役所関係の書類手続きもそうなのですが、日本での感覚の2-3倍の時間がかかってしまいます。「来週までに終わります」とか「来月までには出来上がります」といった回答をもらっても鵜呑みにせず、それよりも日数が掛かる事を念頭において、計画を立てるようにしましょう。