インドネシアでビジネスを行うためには、インドネシアの人々とのコミニケーションが不可欠となります。インドネシアの人々は、日本人と同じように、中学校、高校、大学などで、英語を学習した経験を持つ人が多くいますが、それでは実際に皆がビジネスレベルの英語の会話や読み書きができるかというと、そうではありません。
また日本人の英語能力は会話の能力よりも読みかけに長けているという特徴がありますが、インドネシア人の場合はどちらかというと、会話の能力が長けている感じです。またもともと英語中心の職場(ホテル、観光業、教育関係など)で働くインドネシアの人々は、英会話が得意もしくは必須なので、皆流暢に話をすることができますが、それ以外の職場で働く場合は、あまり得意ではありません。
けれど、インドネシア語でしたら、広大なインドネシアのどの場所に行っても通じますし、多種多様な種族民族が持つ多種類の言語とは異なる、日本で言う、「標準語」が「インドネシア語」にあたりますので、インドネシア語が話せれば、2億7千万人以上(インドネシアの人口)の人々とコミニケーションが可能だという事です。
今回はビジネスで役立つ、簡単なインドネシア語の挨拶の表現を中心にご紹介させて頂きます。
ビジネスで役立つ 簡単なインドネシア語講座 挨拶編
基本の挨拶10選
最初に時間ごとに表現が変わる、あいさつをご紹介致します。
1点注意点は、「こんにちは」の時間帯が2つに分かれていて、時間によって表現が違うところです。夕方の時間帯をお昼とは分けて考えています。
*ちなみに、受け答えは同じ表現で問題ありません。
1.おはよう =Selamat pagi. (スラマット パギ)
こんにちは=Selamat siang. (スラマット シアン) (10:00~14:00)
=Selamat sore. (スラマット ソーレ) (14:00~18:00)
こんばんは=Selamat malam (スラマット マラム) (18:00以降)
2.やあ(気軽なこんにちは)=Halo! (ハロー)
「おーい」と相手に声を掛ける際に使う表現がこちらで、基本的には1日中いつでも使えます。
ただし、カジュアルな挨拶ですので、友人や家族間で使うようにし、目上の人や丁寧に表現をしたい場合には、1.でご紹介した挨拶を使いましょう。また、欧米人がよく使う表現のHai! (ハーイ) でも代用ができますが、こちらもカジュアルな表現なので気をつけて使いましょう。
3.お元気ですか?=Apa kabar? (アパ カバール)
apaが「何」という疑問詞にあたります。kabarは直訳すると「便り、知らせ」という意味で2つ合わせると「お元気ですか」という疑問文になります。答えるときはBaik-baiksaja (バイッバイッ サジャ)を使って「はい、元気です」と答えるのが一般的です。
4.さようなら=Sampai jumpa lagi (サンパイ ジュンパ ラギ)
直訳すると「次に会うまで」というような意味になります。sampaiが「~まで」、jumpaが「会う」、lagiが「再び」という意味です。別れ際によく使う表現ですので、ぜひ覚えて使ってください。会話の中では省略され、sampai jumpa !(サンパイジュンパ)までしか、表現されない場合がほとんどです。
5.お気をつけて=hati-hati (ハティハティ)
hatiはもともと「心」という意味ですが、重ねると「気を付けて」という意味になります。Smapai jumpa lagiという挨拶に対してhati-hatiと使うことがあり非常によく使われる表現です。また日本の「お疲れ様」という意味で仕事終わりに使うこともあります。
6.ありがとう=Terima kasih (テレマカシ)
発音を聞くと、“テレマカシ”と1語に聞こえるのですが実は2語でできている言葉です。Terimaが「受け取る」、kasihが「愛」という意味で、直訳すると「愛を受け取りました」という表現になります。言葉の由来を聞くと非常に美しく何度も使いたくなる表現ですよね。
こちらも友人同士の会話の表現では省略され、makasih(マカシ)だけで使われることが非常に多い言葉です。
7.どういたしまして=Samasama (サマサマ)
これはインドネシア語を学習した人が一番覚えやすいと口にされる表現NO.1の気がします。Terima kasihと言われた際に返す言葉です。samaには「同じ」という意味があり、日本人からすると「お互い様」という言葉が日本語にもあるため、結び付けやすい表現です。
8.すみません=Permisi (プルミシー)
これは英語のExcuse meの意味での「すみません」です。人混みを通る時や、道を尋ねたくて人に声をかけたいときに使える表現です。
こちらも会話の中では省略されて、misi(ミシー)とだけ表現される場合が多いです。
9.ごめんなさい=Minta Maaf (ミンタマアーフ)
これはこちらに非があって謝罪する時の表現です。友達同士の時の場合はもう少しカジュアルにsori(ソリ)を使うこともありますが、Mintaがこう、Maafが許しを意味します。
10.はじめまして =Kenalkan (クナルカン)
日本語の「はじめまして」に正確に相当する表現はインドネシア語にありませんが、自己紹介する際の前置きの言葉としてはkenalkanが使えます。意味は「紹介する」という意味で、kenalkan namasaya…と続けるのが一般的です。
社内でのコミュケーション
日頃から、社内のインドネシアの人々に積極的に話しかける事で、相手もこちらことを信頼してくれるようになります。カタコトでもインドネシア語で話しかけられると相手はとても嬉しいものですので、どんどん使ってみましょう。
1.手伝ってくれてありがとう。
「Terima kasih banyak atas bantuannya.」
(テリマ カシー バニャック アタス バントゥアンニャ)
2.どういたしまして。
「Sama sama.」
(サマ サマ)
3.お聞きしたいことがあります。
「Permisi,saya mau bertanya sedikit.」
(プルミシー サヤ マウ ブルタニャ スディキット)
4.会議は何時からですか?
「Rapat mulai jam berapa?」
(ラパット ムゥライ ジャム ブラパ)
5.今、手一杯でとても無理です。すみません。
「Sekarang terlalu sibuk sehingga tidak bisa.Mohon maaf.」
(スカラン トゥルラルー シブック スヒンガ ティダックビサ。モホン アマフ)
6.予定より早く終わりそうです。
「Sepertinya lebih lancar daripada rencana saya.」
(スプルティニャ ルブヒー ランチャル ダリパダ ドゥガアン サヤ)
7.貴方のおかげでうまくいったよ。
「Berkat anda, berjalan dengan lancar.」
(ブルカット アンダ ー ブルジャラン ドゥンガン ランチャル)
取引先への挨拶
取引先の相手でも、インドネシア人はあまり堅苦しい会話を望まず、普段友人と話をするようにリラックスして対話をすることを望みます。この会話が仲良くなるチャンスであり、ビジネスが上手くいくかどうかこれで左右されるといっても過言ではありません。
1.お忙しいところお時間頂き、ありがとうございます。
「Terima kasih untuk waktu anda.」
(テリマ カシー ウントゥク ワクー アンダ)
2.お会いできて光栄です。
「Senang sekali bisa bertemu dengan anda.」
(スナン スカリ ビザ ブルトゥムー ドゥガン アンダ)
3.お役に立てて嬉しいです。
「Saya senang membantu anda.」
(サヤ スナング モンバントゥー アンダ)
4.大丈夫です。問題ありません。
「Tidak apa apa, tidak ada masalah.」
(ティダック アパ アパ。ティダック アダ マサラハ)
5.承知しました。
「Saya mengerti.」
(サヤ ムングルティ)
ビジネスで役立つ 簡単なインドネシア語講座 挨拶編
絶対にあきらめない
インドネシア語の表現を発音する際、どうしても日本人には発音しにくい、語彙があります。
Makan(マカン)=食べる
Telor(トロール)=卵
これは一例ですが、単語の語尾がnで終わっている単語言うのを日本人が発音すると、インドネシアの人々にはどうしてもngで聞こえてしまうそうです。
また、l(エル) とr(アール)の発音は英語でもそうですが、日本人には発音しにくいため、インドネシアの人々にとって日本人の発音はどちらなのか分かりにくいそうです。
そのため、私も経験があるのですが、相手によっては、うまく発音できない事をちょっと馬鹿に(冗談で)してくる場合もあります。けれど、馬鹿にされたからといって、腹を立てて決してあきらめないで下さい。繰り返し繰り返し練習すれば必ずできるようになりますし、鏡の前で発生練習するのもおすすめです。
アフターファイブの時間を有効に使う
インドネシアにはアフターファイブを楽しむ事ができる、楽しい夜のお店(バーやカラオケ)もたくさんあります。そういったところで働く女性たちと、積極的に間違いを恐れずにインドネシア語で会話を試みる事で、インドネシア語の能力はグングンと伸びていきます。最近ではオンライン講座なども流行っていますし、そういった方法もお勧めです。