インドネシアに進出する企業が増えています。
たしかにインドネシアには豊富な労働力や資源があります。ビジネスの観点から考えると早めにインドネシアに進出して利益を出した方がいいです。
一方で既にインドネシアに進出した企業を分析して、どのようなビジネスを展開しているのか、どのような強みを持っているのかなどを知ることも大切です。
そこで今回はインドネシアへの進出企業はどの業種が多いのか、日本企業が進出している地域とともにご紹介します。
インドネシアに進出している企業の多い業種
2020年にJETROが発表したデータによると、以下のような業種が主にインドネシアに進出しています。
- 製造業(871社)
- 卸売/小売(商社を含む)(247社)
- 建設/プラント(75社)
圧倒的に多数を占めているのが製造業で、それ以外の非製造業が続きます。 2019年の8月から11月時点に会社のウェブサイトにインドネシア拠点が含まれている日系企業をカウントして、掲載企業の合計が1489です。
また、その中でも現地法人の数は1401で、駐在員事務所が87、支店が1という内訳になっています。 それでは、早速詳しく見てみましょう。
製造業(871社)
インドネシアに進出している企業で圧倒的に多いのが製造業です。 さらにどういった製造業が多いのか詳しく見ると、トップ3は以下のようになっています。
- 輸送用機器部品(自動車/二輪車)(218社)
- 電気機械/電子機器(同部品を含む)(69社)
- 金属製品(メッキ加工を含む)(61社)
製造業の中でもダントツで多いのは自動車関係です。自動車の生産だと容易に想像できます。 自動車や電気機械、金属製品を取り扱う企業に共通して言えるのは、1990年代から2000年にかけて進出した企業が多いです。
ちなみに輸送用機器部品は、2011年から2015年の間にも多く進出しています。2011年に円相場が1ドル76円台をつけたこともあり、日本企業が海外に生産拠点を移したことも関係しているでしょう。
そして金属加工には切断や研磨などさまざまな加工がありますが、身の回りの製品に金属が使われているので需要もあります。 また、インドネシアに進出している企業の大多数は製造業が占めているのにも通じますが、金属製品はメーカーにとっても必要なので同じくらいの重要性があります。
卸売/小売(商社を含む)(247社)
インドネシアに進出している企業で2番目に多いのが卸売/小売(商社を含む)です。 ビジネス間の取引から企業から消費者間まで幅広く取り扱っている分野です。物を製造・生産を行うと仲介役が必ず発生するので、そういった意味では経済活動の規模が大きくなればなるほど需要があります。
また、インドネシアの豊富な人口を考えると、インドネシア内の経済活動も活発なため中産階級が増えてより成長が見込まれている内需に関わる小売なども手堅いビジネスです。
建設/プラント(75社)
インドネシアに進出している企業で3番目に多いのが建設/プラント(75社)です。 インドネシアでは都市開発が進んでいるので建設の需要はまだまだあります。そして建物は安全性を重視するので、日本の技術力はもちろん地震への対策力が活躍するでしょう。
また、工事設備や生産設備は経済活動を支える垣根のようなものなので、一定数の需要があありますね。
インドネシアに進出している企業の場所別トップ3
JETROのデータをもとにインドネシアに進出している1489の企業を場所別に分けてトップ3を見てみると、以下のようになります。
- ジャカルタ首都特別州(659社)
- 西ジャワ州(655社)
- バンテン州(65社)
ジャカルタと西ジャワ州だけで全体の9割近くを占める計算です。 西ジャワ州はジャカルタに隣接する州であり、やや乱暴ですが日本で例えると東京の隣の千葉や埼玉のような感じです。 また、ジャカルタの地価や人件費の高騰で、ジャカルタから近郊に移転する企業もいます。
そして、西ジャワ州もインフラが建設されており高速道路や鉄道が開業してさらにジャカルタが近くなりました。そうした意味でもまだ発展途上の余地があると言えそうです。
まとめ
今回はインドネシアへの進出企業はどの業種が多いのかというテーマで解説しました。
- 製造業(871社)
- 卸売/小売(商社を含む)(247社)
- 建設/プラント(75社)
結論としては、古くからある業種が進出していることがわかりました。ITなど最新の業種ではありません。 社会活動に必要なインフラ、たとえば建築物や自動車などを作っているところ、そして経済活動を行う中で物の取引が活発になれば需要が生まれる卸売/小売などです。
これらの企業に共通しているのは、大規模な資本を投資して動かしているお金も大きいということです。 個人が参入するならばあまり真似をするのは得策ではありません。
しかし、このような分野を避けてニッチな分野で勝負するという目標を立てる参考になるでしょう。