インドネシアのルピアと日本円のチャートを見ても比較的安定的に推移しています。一方でルピアとドルのチャートを見ると乱高下しているのは否めません。

日本においても、急激に円安が進行したり、反対に円高が進行したりと為替に関するニュースがよく新聞やテレビを賑わせていますね。そんな時に外貨を保有していると安心材料になるものです。

そこで今回は、今後資産として保有するならインドネシアのルピアとアメリカのドルのどちらがいいのか詳しく解説します。

インドネシアへ進出する場合の知っておくべきリスクとは

ルピアとドルのどちらを保有するべきか

インドネシアのルピアとアメリカのドルを比べてみると、アメリカドルを保有したほうがプラスになる可能性があります。

ルピアには下落するリスクもあり、世界中の経済の基盤になっているアメリカドルに比べると弱いと言わざるを得ません。 下がったと思ったら上がったりするので、保有すべき通貨ではありません。

その理由をいくつか見てみましょう。

コロナ前からの懸念材料

独立経済行政法人の上席研究員であるWillem THORBECKEによると、2011年7月から2019年1月にかけて、ルピアは半分ほど下落したといいます。

ルピアが下落してしまった原因にはいくつかあります。

  • アメリカの金利が急に上がったこと
  • 米金利上昇に伴う世界混乱
  • インドネシアの経常赤字
  • インドネシアのファンダメンタルズの不安定さ

アメリカにトランプ政権が誕生してからトランプショックと呼ばれる現象が起きました。

財政拡大への期待と金利上昇の影響を受けてインドネシアなど新興国の通貨は大きく影響を受けました。 また、BOP(国際収支マニュアル)を見ると、インドネシアは2012年から2020年まで経常赤字を出しています。

この原因は多田忠義によると、インドネシアは資源国であり資源を輸出して黒字化していました。

 

中国や他の新興国に対しても資源を輸出していましたが、それらの国で資源の消費量が減りました。たとえば、中国ではエネルギー政策の転換として石油や石炭から自然エネルギーの割合を高めています。

そうした影響を受けることになりました。 それからインドネシア自体も人口が増介しておりエネルギーの生産国としてだけではなく、消費国として多くのエネルギーを使っています。だからエネルギーの輸入国にもなりやすい傾向がありました。

コロナ後のインドネシア経済からの観点

世界銀行によると、2023年のインドネシア経済成長率は2023から2024年にかけて平均4.9%を記録するといいます。コロナ禍や世界的景気減退の中でもインドネシア経済は比較的粘り強いです。

インドネシア経済がコロナ禍でも持ちこたえたのは、資源高の影響で収入が増えたことやメリハリのある感染対策で経済の需要を削ぎ落とさなかったからだと言われています。

また、今後は中国がゼロコロナ政策を解除して経済が通常に戻るにつれて、インドネシアを含む他の国からの輸入の需要も増えるので、その動向がインドネシア経済にもプラスになるでしょう。

 

そして、インドネシアルピアは2022年はほとんどドルに対してルピア安が進んだ年でした。

これはアメリカがインフレ対策のために利上げを行ったことでインドネシアとアメリカの間に金利差が生じて、ルピア安が進行しました。 ルピア安になれば資源を輸出するインドネシアとしては経済に追い風です。

それに伴って株価も上昇しています。しかし、その後はルピア高に触れています。これはアメリカのインフレ率がピークが見えて利上げのペースが鈍化する観測があったからと言われています。

定期預金やFXでルピアを増やすのは?

インドネシアルピアを定期預金やFXで増やすという方法があります。

定期預金

定期預金でインドネシアを増やすのは簡単ではありません。インドネシアの現地の銀行を開くには、滞在許可書が必要なのでハードルが高いからです。 それさえクリアできれば1ヶ月から定期預金を始められます。1ヶ月だと4%〜、12ヶ月であれば5%〜の利子がつくので少し得するかもしれません。

ただし、外貨に両替する時の手数料や、インドネシアの物価上昇率が5%〜であることをしっかり考えて預けましょう。

FX

インドネシアのルピアは高金利なので日本円との金利差を利用してスワップポイントで稼げます。 ただし、インドネシアルピアを取り扱っているFXも少ない上に、トルコリラと日本円の金利差が10%を超えることを考えると、あえてインドネシアルピアを優先して選ぶ理由がないのが現状です。

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まとめ

今回はインドネシアルピアについてご紹介しました。

インドネシアルピアはドルに比べると、まだ弱いです。アメリカの金融政策や世界経済情勢、そして輸出する国の経済状況の影響を大きく受けます。中でもアメリカの金融政策は世界の指標になっているので、特にインドネシアルピアが上下しがちです。

そのリスクがあるので、インドネシアルピアの保有はおすすめできません。また、外貨預金やFXにもある程度のハードルがあります。 ぜひ、参考にしてみてください。