eメールで謝罪文を書く時には、どのようにしたら相手に気持ちが伝わるでしょうか。
すぐに「ごめんなさい」や「ありがとう」と口にする日本社会の常識と比べると、インドネシアの人々は「ありがとう」は日本社会と同じようにすぐに口にしたりメールにしますが、謝罪となるとインドネシアの人々はあまりすぐに「ごめんなさい」と口にしたり、メールでも書いたりしない気がします。
この違いについて私自身も、インドネシアの人々は謝らない、とか自分のミスを素直に認めようとしない、責任転嫁する、とインドネシアでビジネスをする日本人が言っているのをしばしば耳にします。
確かに本当のことではあるのですが、そういうお国柄なので、ある程度は許容をしてあげたうえで、私たち日本人は日本人の美徳とも言える、素直に謝罪するというスタンスを崩さないことで、逆にインドネシアの人々から信頼されるということも言えます。
ですので、私たちがどのように謝罪を行ったら良いのかを知っておくことはともて大事なことです。
状況としては、何かの不手際が発生してしまい、一刻も早く相手に謝罪の気持ちを伝えたいとう時です。不手際の例としては、約束を忘れてしまった、eメールの返事をするのが遅れたなどなどです。今回は、謝罪メールの例文をご紹介させて頂きます。
インドネシアのビジネス相手に送る謝罪メールの例文17選
謝罪メールの構成
まずは、正しい言葉遣いでのお詫びの使い方ですが、相手との関係や立場によって使い方を選ばなければいけません。上司や目上の人には、フォーマルな言葉を使い、親密な関係にある人には、フォーマルでなくても丁寧な言葉遣いであれば問題ありません。下記にその例をあげます。
お詫びの前置き
本題のお詫びの文章に入る前の、プロローグもしくは書き出しの文章として使い、相手にまず今回のeメールが、お詫びのためであるということを伝えるために書きます。
例文:
- 実はお詫びを申し上げなければならないことがあり、メールを差し上げました。
”Sebenarnya saya mengirim email ini karena saya harus menyampaikan permohonan maaf atas suatu hal”
- 実は申し訳ないことをしてしまいました。
”Sebenarnya saya sudah melakukan suatu hal yang melewati batas”
- 今日はお詫びをお伝えしたくてメールしました。
”Saya mengirim email pada hari ini karena saya ingin memohon maaf atas sesuatu”
- ~〇〇さんに謝らなければならないことがあります。
”Saya harus meminta maaf kepada X tentang suatu hal”
- * 実は〇〇さんに悪いことをしちゃったんです。
”Sebenarnya saya sudah berbuat kesalahan pada X”
補足:上記の*の数が多い文章の方が、より丁寧で相手を敬っている文章になります。それぞれの文章の意味は同じですが、相手に伝わるニュアンスが違ってきます。
本題のお詫び
そして次に、本題のお詫びの文章を書きますが、その時にどうして今回お詫びをするのかについて、その理由を簡単に相手に説明しましょう。下記にお詫びの文章の例をあげます。
例文:
- このような事態になってしまい、誠に申し訳ございません。
”Karena jadi seperti ini saya memohon maaf dengan sebesar-besarnya”
- ご迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ありません。
”Saya benar-benar mohon maaf karena sudah merepotkan anda”
- 心よりお詫び申し上げます。
”Saya memohon maaf dari lubuk hati saya”
- どうもすみませんでした。
”mohon maaf sekali”
- 申し訳ない。
”mohon maaf”
- ごめんなさい。
”maaf”
お詫びの文章を書いた後は、この下にあげた締めの文章で結ぶことができます。
お詫びのむすび
- とりあえずメールを差し上げましたが、また改めて電話させていただきます。
”Demikian saya sampaikan permohonan maaf saya melalui email ini terlebih dahulu, namun izinkan saya untuk menelepon anda untuk sekali lagi menyampaikan permohonan maaf saya”
- 今後はこのようなご迷惑おかけしないようにいたします。何卒ご了承のほどお願い申し上げます。”Untuk selanjutnya saya akan berusaha agar tidak merepotkan anda seperti ini lagi. Terima kasih banyak atas pengertiannya.”
- 今のことは、本当に申し訳ありませんでした。以後気を付けます。
”Mohon maaf sebesar-besarnya untuk kesalahan kali ini. Untuk ke depannya saya akan lebih berhati-hati”
- 本当にすみませんでした。今後ともよろしくお願いします。
”Mohon maaf sekali. Mohon bantuan/kerjasamanya untuk selanjutnya”
- 本当にごめんなさい。今後もよろしく。
”maaf sekali. untuk selanjutnya juga mohon bantuannya”
お詫びの文章を書くときの注意点
- 日本語の敬語のように、一番礼儀正しい丁寧な言葉遣いをするようにして、また相手が顧客だったり他社の人の場合には尚更気をつけなければいけません。
- また相手がもし既に、私たちがお詫びしなければいけないことについて知っているのであれば、前述した前置きの文章や書き出しのお詫びの文章は必要なく、本題のお詫びの文章から書かなければいけません。
以上あげたポイントに付け加えて、謝罪メールを送る時に気をつけなければいけないことは、速やかに送ることです。まごまごしていていると、謝罪をする機会を失ってしまいます。
そしてもう1つ、謝罪メールで使う言葉遣いは必ず丁寧な礼儀正しい文章を使うことで、このことは相手とどんなに親しい関係であっても忘れてはいけません。そうして真剣に誠意を持って、謝罪しますという気持ちを、受け取る相手に伝えることができます。
また文字で書いた謝罪は時々、十分でないと思われがちなので、謝罪メールを送った後には、電話をしたり、相手に会いに行き直接謝罪をするよう心がけましょう。
謝罪メールで最初にお詫びを伝える文章
1.「お願いします、私を許して下さい」
“Saya mohon, maafkan saya.”
- 「どうか、私の間違いを許して下さい」
“Tolong, maafkan semua kesalahan saya.”
- 「許して下さい。私はもう二度と同じ過ちを繰り返さないと約束します」
“Maafkan saya. Saya berjanji tidak akan mengulangi kesalahan yang sama.”
- 「申し訳ありません。状況が回復するまで私たちの会議は中止です」
“Mohon maaf, Pak. Rapat kami tunda hingga situasi membaik.”
- 「私はあなたから許してもらえることを願っています」
“Saya sangat berharap anda mau memaafkan dirinya.”
- 「あなたを傷つけてしまったことをお詫びします」
“Saya minta maaf karena telah menyakiti hati anda.”
- 「これは全て私の間違いですので、あなたにお詫びします」
“Semua ini adalah salahku dan saya minta maaf kepada anda.”
8.「私はあなたに対して良くないことをしてしまいました。申し訳ありません」
“Saya sadar saya telah memperlakukan anda dengan tidak baik. Saya minta maaf.”
9.「時簡に遅れてしまい、申し訳ありませんでした」
“Kami mohon maaf atas keterlambatan ini.”
10.「あなたを傷つけてしまったことを後悔しています。申し訳ありません」
“Saya sangat menyesal telah menyakiti anda . Saya mohon maaf.”
- 「私が昨日、あなたに対して言ってしまったことをお詫びします」
“Maafkan saya atas apa yang saya katakan kemarin malam.”
- 「あなたの実力を見くびっていたことにお詫びします」
“Maaf, saya telah meragukan kemampuan anda.”
13.「あなたに嘘をついてしまったことをお詫びします」
“Saya minta maaf karena telah membohongi anda.”
- 「私の力が十分に発揮できなかったことをお詫びします」
“Saya mohon maaf karena belum bisa memberikan yang terbaik.”
- 「あなたに対して求めすぎてしまったことをお詫びします」
“Maafkan saya karena saya terlalu banyak berharap kepada anda.”
- 「私の間違い全てをお詫びします」
“Saya mohon maaf atas semua kesalahan yang telah saya lakukan.”
- 「あなたに正直に言わなくてお詫びします」
“Saya minta maaf karena saya tidak jujur kepada anda.”
以上17選の例文をご紹介させて頂きましたが、こちらはどちらかという口頭での謝罪に向いている内容ですので、メールではなく口頭で相手に直接謝罪の気持ちを伝えたいときに使いましょう。
インドネシアのビジネス相手に送る謝罪メールの例文 17選
繰り返しになりますが、インドネシアの人々が日本人に対して親しみを持ってくれる要因の1つに、素直に謝罪をすることを美徳とする、日本人の考え方があります。
日本人同士でもどんんなに気をつけて仕事をしてもミスが起こってしまうように、ましてやインドネシアの人々と仕事をするのですから、ミスは当然発生してしまいます。大切なことは、そのミスをきちんと反省して繰り返さないことと素直に相手に対してお詫びをするという気持ちなのです。
真摯に相手に謝罪をすれば、相手も逆に、こちらこそすみませんでした、とあなたの謝罪を受け入れてくれて、引き続きビジネスを一緒に行うことができるでしょう。