インドネシアビジネスをやっていると、多くの人々が物のやり取りをする場面に出くわすのではないでしょうか。
インドネシアから物を輸入して日本で販売したり、反対に日本の物をインドネシアに輸出して売ったりするなどの身近なビジネスが考えられます。 そうなると当然、インドネシアとの貿易に関する知識が必要です。決まりを知らないと困る場面も想定されます。
そこで今回はインドネシアとの貿易を行う時の注意点について詳しく解説します。
インドネシアと日本の貿易の全体概要
インドネシアと日本の間では、積極的な貿易が行われておりどちらにとっても重要な貿易相手国となっています。 具体的には、財務省統計によると2019年時点でインドネシアの貿易統計は以下のようになっています。
- 対日輸入額:1兆9,799億円(第3位)
- 対日輸出額:1兆5,243億円(第2位)
日本はインドネシアからエネルギーを輸入していることもあり、両国の貿易関係は蜜月です。ちなみに、特に石炭と液化天然ガスを輸入しており、インドネシアは石炭で第2位、液化天然ガスは5位に位置しています。
具体的な輸出入品を見てみると、インドネシアから日本への輸入品は金属や石炭、天然ガスといった資源が大きく占めています。一方で日本からインドネシアへ輸出している製品は機器や機械が占めています。
インドネシアとの貿易の注意点
インドネシアとの貿易の注意点について、以下の3つの観点から見ていきましょう。
- 品目規制
- 法律
- 手続き
それでは順番に解説します。
輸出入に関する品目規制
インドネシアとの貿易では、輸出入が禁止・制限されている物があります。 それぞれ詳しくみてみましょう。
輸入の規制
インドネシアから輸入できない物は中古品です。原則として禁止されています。 そして、輸入が制限されている物は以下のようなものがあります。
- 鉄鋼や鉄鋼
- 食品
- アルコール
- 砂糖
- 塩
この他にも輸入が規制されている物があるので詳しくはJETROのホームページで確認しておきましょう。
輸出の規制
日本からインドネシアの輸出に関しては、禁止されている物と規制されている物があります。 まず、輸出が禁止されている物には以下のようなものがあります。
- 木材
- ロタン
- 水産物
- 未加工の鉱石
そして、輸出が制限されている物には以下のようなものがあります。
- 鉱物
- 工業品
- エネルギー
- 農園作物
- 林産物
輸入品と同様にこの他にも規制されている物があるので、JETROのホームページで確認しておきましょう。
輸出入に関する法律
輸出入に関する法律も定められているので、輸入と輸出の法律に関してそれぞれ見てみましょう。
輸入関連法
輸入関連法では、主に3つのことが定められています。
- 中古品は原則不可
- 業者登録(API)が必要
- 既製品の輸入は登録や許可が必要
輸出関連法
輸出関連法では、以下のようなことが定められています。
- 輸出業者は登録が必要
- 特定の品目は別途書類が必要
- 倉庫所有者は登録する必要がある
手続き関連の注意点
輸出入に関してそれぞれの手続きと注意点をご紹介します。
輸入手続き
- 入港予定書、入港予定届などを運送会社が提出
- 荷降ろしして一時蔵置場に保管
- 輸入申告書を提出
- 輸入関税を納付
- 税関の審査と検査を行う
- 貨物を受け取る
この流れの中では、輸入申告と関税の納付を忘れないないようにしましょう。 JETROによると、以下のような物が輸入申告に必要になります。
- 事業基本番号(NIB)
- 所管省庁による輸入承認、許可、登録、推薦状など(輸入規制品目の場合、)
- 輸入申告書(PIB)
- 輸入関税納付書(SSP)
- インボイス
- パッキングリスト
- 船荷証券
- その他(原産地証明書等)
輸入申告の必要な物に関して詳しくは財務省関税総局の輸入手続きを確認するべきです。
輸出手続き
- 輸出関税を納付
- 輸出の申告を行う
- 書類の審査
- 現物検査
- 船に積む
輸入と同じく、関税の納付と輸出申告を行うようにしましょう。 JETROによると、以下のような物が輸出申告に必要になります。
- 事業基本番号(NIB)
- 所管省庁による輸出承認、許可、登録、推薦状等(輸出規制品目の場合)
- 輸出申告書(PEB)
- 輸出関税納付書(課税されている場合)
- インボイス
- パッキングリスト
- 船荷証券
- その他(原産地証明書、輸出関税納付証明書等)
これらの必要な物は詳しく財務省関税総局の輸出手続きに書いてあるので、あわせて確認しましょう。
まとめ
今回はインドネシアとの貿易の注意点を規制や法律、手続きといった面から紹介しました。 インドネシアと日本は互いに輸出入が盛んですので、ビジネスを行う際に輸出入に関わる場面も多いかと思われます。 その一方で注意しなければならないことも存在します。
輸出入が制限されている物があります。 そして、法律でも輸出入の中でしてはいけないことが定められています。 また、輸出入の手続きもしなければならないことがあります。
これらの決まりは必ずJETROや財務省のホームページで確認するようにしましょう。