インドネシアの伝統的な服装は「バティック」です。
しかしながら、インドネシアに渡航した経験のない人や、「聞いたことがない」という人にとっては一体何か謎ですよね。 インドネシアは地域ごとに特色が違うと言われているので、服装の違いもあるのかどうか気になりませんか?
もし、こうした知識を知っていれば、インドネシアへの知識が深まりますし、インドネシアの人々にも喜ばれます。 そこで今回はインドネシアの服装について詳しく解説します。
インドネシア人の普段着
インドネシア人の普段着は、基本的にラフな格好です。 しかし、男女によって異なるので詳しくみてみましょう。
インドネシア人男性の格好
インドネシアの男性は普段、このような格好をしています。
- Tシャツ
- 短パンもしくは長パン
- サンダルたまにスニーカーか革靴
基本的に暑いので、露出が高めの格好です。Tシャツと短パン、そしてサンダルと日本人が真夏に近所に遊びに行くような自然体な格好をしています。
また、接客業などであれば、長ズボンを履いて足を出さないようにしています。そして、少しフォーマルな場所や足元の悪い場所であれば、スニーカーを履いています。ビジネスであれば長ズボンに革靴、そしてノーネクタイの半袖という格好になります。
インドネシア人女性の格好
インドネシアの女性は男性に比べて露出が控えめです。
なぜならば、イスラム教の教えで肌の露出はよくないと言われているからです。 そのため、全身を覆うような長袖や長ズボンを着用していますが、もっと特徴的なのはヒジャブです。ヒジャブで頭全体を隠して目や顔だけ出している女性が多いです。
また、このヒジャブは巻き方や柄にトレンドがあってオシャレさを決めています。 それからマレー人女性の間では、頭から足まで覆うとても長いワンピースのような「バジュ・クルン」という普段着も着用されています。
ちなみに、インドネシアの中には中華系の女性がいます。中華系の女性は半袖と短パンで露出が高めなので、日本など東アジアの女性と同じような雰囲気が漂っています。
インドネシア人の伝統衣装
インドネシアでは、伝統的な衣装としてバティックが着用されています。バティックとは、日本でいう着物のようなものです。結婚式など大きなイベントの際に出席するときに着用します。
バティックの歴史
バティックはインドネシアの古代ヒンドゥー王朝の文化にルーツを持っています。13世紀末から16世紀初めに存在したマジャパヒト王国ですが当時、沖縄の琉球王朝と交易も行っており、その中にもバティックが含まれていたといいます。
ちなみに、日本ではバティックを更紗(さらさ)と呼ぶこともあります。 また、バティックは最初から製作をするのに高い技術力が必要とされており、作れる人も限られていたので希少性や価値が高いものでした。最初は王宮内の子女しか作れなかったといいます。
バティックの特徴
バティックは染め方の方法に特徴があります。 多くの布製品はそのまま染料を使って色をつけますが、バティックの場合はまず色をつけたくない布の部分に蝋(ろう)を塗ります。これは防染という技術です。インドネシアの中ではジャワ島にこの技術がありました。
また、バティックは手書きの場合以下のような工程で作られます。
- 布を洗う
- 鉛筆で柄を下書きする
- 染めたくない部分に蝋を塗る
- 染色を行う
- 蝋を落とす
- 細かな染色を行う
細かい部分に蝋を塗る際は、チャンティンという道具を使います。そして、蝋を落としたり蝋をまた付けたりすることで染色の濃淡を付けられます。 また、この他にも、チャプと呼ばれる銅製の型番を布に押してバティックに模様をつける方法があります。 そして、以下のような天然素材の染色材を使っていました。
- 藍
- パラミツ
- ヤエヤマヤオキ
ちなみに、現在では化学染料やプリント染色技術が発達したことによって安価なバティックが市場に溢れるようになりました。
バティックの地域ごとの違い
バティックは地域ごとに柄が違います。
- チルボン(ジャワ島の北海岸):雲のようなメガ文様が特徴
- プカロンガン(ジャワ島北海岸):花束模様(カイン・ブケット)
- ジョグジャカルタ(ジャワ島中部南岸):茶色いソガ染め
- ソロ(中部ジャワ):茶色いソガ染め
- ラスム(ジャワ島の北海岸):茜色の柄
このようにそれぞれに地域ごとに柄が違って特性があるので、バティックを通してインドネシアの地域の特色を学べます。
まとめ
今回はインドネシアの服装についてご紹介しました。
インドネシア人男性の普段着はTシャツに短パンという比較的ラフな格好が多いです。その一方でムスリムのインドネシア人女性は、ヒジャブなどを着用してできるだけ肌を露出しないような格好をしています。
それから、インドネシアにはバティックという伝統衣装があります。染め方が特徴的であり、地域ごとにバティックの模様が異なります。 ぜひ、この記事を参考にしてバティックについて学んでみてください。