インドネシアでは、日本と同じように源泉税が徴収されます。
海外でビジネスをすることを考えると、日本とは違うルールがあったり現地特有の決まり事があったりするので、事前にそれらをよく考えることが大切です。 特に源泉徴収は知らないうちに引かれているので実際によくわかっていない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はインドネシアの源泉税がどういったものなのか、源泉税そのものについての解説とあわせてご紹介します。
源泉税とは何か解説
源泉税とは、正式は源泉徴収税と呼ばれ、給与や報酬を支払う会社が支払い金額から一定の金額を差し引いて国に収める税金のことです。
源泉は所得が発生した最初の段階を表します。そこから徴収する税金なので、源泉徴収税と呼ばれています。 また、源泉としてカウントされる所得には以下のようなものがあります。
- 利子
- 配当
- 給与
- 退職所得
- 雑所得
- 一時所得
一方で納税した金額と年間の税金の差を合わせることを年末調整と言います。
源泉税と所得税の違い
源泉税と所得税の違いは以下のようになっています。
- 源泉徴収税:会社が個人に変わって収める、個人事業主は確定申告で税額を決める
- 所得税:個人の所得に対して課税、個人事業主は自分で収める
源泉徴収税は、所得を支払う側の会社が所得税を個人に代わって納めます。支払額から天引きされるのが一般的で、年末調整によって本来の正しい税額を確定します。一方で個人事業主に関しては、確定申告を行なって正しい税額の確定を行います。
一方で、会社が所得税を代わりに支払うようになっている会社員であっても、確定申告を行なって税額を確定する場合もあります。
そして、所得税に関しては、所得が発生した段階で収めることになる税金です。税金の金額に関しては、所得から一定の金額を引く控除を入れて1年間の所得から計算します。
会社員であれば源泉徴収として会社が収める一方、個人事業主に関しては自分で行います。 このような違いがあります。
世界の源泉税
世界の他の国でも源泉徴収制度が存在します。 そこで今回は『おかねとほけん』のサイトから引用した、世界の主要国の所得税の一覧はこちらです。
国 | 最低所得税率 | 最高所得税率 |
---|---|---|
日本 | 5% | 45% |
アメリカ | 10% | 39.6% |
ドイツ | 0% | 45% |
イギリス | 20% | 45% |
フランス | 0% | 45% |
中国 | 3% | 45% |
シンガポール | 0% | 22% |
世界の国々の所得税は多種多様なことがわかります。それぞれ個人の所得によって税率が異なりますが、所得が低い人であればフランスなどの国では0%になります。その一方でどの国も高額所得者になると、ほぼ所得の半分が税金として引かれます。
しかし、シンガポールを見ると、高額所得者であっても22%の所得税で済んでいます。そのため、高額所得者の富裕層を惹きつける魅力にもなっています。
インドネシアの源泉税について
所得の種類によってインドネシアの源泉税の種類も分かれています。 具体的には以下のようになっています。
- pph21:給与にかかる源泉徴収税
- pph22:輸入の際の源泉所得税
- pph23:国内のサービスに対して課税
- pph26:海外サービスに対して課税
申告納税とあわせてみると、比較的多くの種類があって税率も異なるので混同しないように注意しましょう。 そして、特にこの中で1番頻繁に出てくるのがpph21です。インドネシア国内に住む人の給与やボーナスについて課税が行われます。
インドネシアの源泉税(pph21)の税率
インドネシアの個人に対する源泉税(pph21)は以下のようになっています。
- 5%:年間所得が5,000 万ルピア以下
- 15%:年間所得が5,000 万ルピアから2億5000万ルピア以下
- 25%:年間所得が2億5,000万ルピアから5億ルピア以下
- 30%:年間の所得5億ルピアから50億ルピア
- 35%:年間の所得が50億ルピア以上
インドネシアの源泉税は累進課税制度となっています。 最低ラインは5%となっていますが、高額所得者は35%です。他の国と比較すると少なめになります。
また、インドネシアは全世界所得課税となっており、インドネシアに住んでいてインドネシア以外の国で発生した所得に対しても課税を行う制度になっています。
そして、外国人がインドネシアで課税の対象になるのは、滞在する意思とビザを持っており、183日以上住んでいることです。
まとめ
今回はインドネシアの源泉税がどういったものか、また税率はいくらなのかをご紹介しました。同じように、世界の源泉税がどれくらいなのか、源泉税と所得税の比較なども解説しました。 源泉徴収の制度は日本でもそうですが知識がないとよくわかりません。
また、天引きされるものなので税金を払っている意識もないです。 基本的に会社が源泉税を納め、世界的に個人の給与所得に関しては累進課税制度となっています。国によっては低いところで0%、高額所得者はほぼ半分が引かれます。
インドネシアの個人の給与も累進課税ですが、その他の税制度と合わせとるさらに複雑なので一度JETROなどのホームページを確認することが必要です。 ぜひ、参考にしてみてください。