インドネシアは自然災害がとても多い国です。 日本と同じように津波や地震の被害がよくあって、経済にも大きな影響を与えています。しかし、インドネシアには台風のイメージが全くありませんよね。インドネシアにも台風は来るのでしょうか?

また、来るとしたらどれくらいの被害を及ぼすのでしょうか? 日本でも台風が来るとなると、自分のスケジュールを再調整する必要があるので大変です。

そこで今回はインドネシアの台風事情についてご紹介します。

インドネシアへビジネス渡航する前に確認しておきたい5つのこと

インドネシアに台風は来ない

インドネシアに台風は来ません。

日本のような風が強くて雨を伴うような「台風」は来ないのです。なぜ「」付きで台風を強調したかと言うと、台風の定義はインドネシアで発生しないことになっているからです。 気象庁の台風の定義は、「熱帯低気圧の中で赤道より北側に位置するもの」です。

インドネシアを世界地図で見てみるとわかるように、赤道より南に位置しています。つまり、台風の定義に当てはまりません。

インドネシアに来るのはサイクロン

インドネシアに来るのはサイクロンです。 台風・サイクロン・ハリケーンの大まかな違いは以下の通りです。

  • 台風:東アジア近くの太平洋(日付変更線より西)で発生
  • サイクロン:インド洋、南太平洋で発生
  • ハリケーン:大西洋で発生

どれも熱帯低気圧ですが、発生した場所によって呼び方が異なります。

サイクロンがインドネシアに来る頻度

インドネシアにサイクロンはそこまで頻繁に来るわけではありません。

なぜならば、赤道近くに位置しているからです。 地球は自転しており北半球では右向きの風が吹き、南半球では左向きの風が吹いています。ちょうど地球の半分の赤道近くでは回転する力が弱いです。いわゆるコリオリの力というやつですね。

つまり、赤道から離れれば、海水を吸収して熱帯低気圧がどんどん成長するのに対して、赤道直下ではその条件が整っていないからです。

近年のサイクロン被害

サイクロンはインドネシアで発生しにくいとされていますが、一方でサイクロン被害が出ていることも事実です。 たとえば、2021年4月には、サイクロンのセロージャが発生しました。セロージャはインドネシア語で「蓮」の意味です。

セロージャは2021年4月4日未明にインドネシア東部から東ティモールにかけて暴風、暴雨を引き起こして、土砂崩れや洪水を招きました。

1週間でインドネシアの東・西ヌサ・トゥンガラ州をあわせて、181人が死亡して45人が行方不明となりました。 避難民は50万人ほどにもなり、社会的な混乱が発生しました。特に洪水が発生して送電線が破壊されて電気の供給や通信が不安定となってしまいました。

また、自然災害の多いインドネシアで1番怖いことが起こったサイクロン被害でした。 セロージャが来る前にインドネシアのレンバータ島では、火山噴火が起こっていました。そしてサイクロンが来たことで、雨で溶岩が流されて人々が住む家を直撃しました。溶岩の下敷きになった可能性もあります。

この他にも、サイクロンは2017年に東ジャワ州で発生しており、11人が死亡しています。この時もバリ島で噴火した火山の噴煙がサイクロンで流されて降灰エリアが広がったとされています。

その他インドネシアで気をつけるべき自然災害

インドネシアには以下のような自然災害が発生します。

  • 地震
  • 津波
  • 火山
  • 洪水
  • 地滑り
  • 干ばつ
  • 森林火災

日本と同じような災害が並んでいますが、インドネシアは国土面積も広いので発生する確率も高くなります。 特にこの中でも日本で大きなニュースになるのは、地震と津波です。2004年のスマトラ島沖地震はマグニチュード9.0で1900年以降4番目の大きさでした。

地震の揺れの被害も大きかったのですが、津波が国境を跨いで大きな被害を与えました。インドネシアに限らず、アフリカ大陸にまで津波が届いています。さらに隣国のタイのプーケットでも津波が観測され、タイで23名が亡くなっております。 合計の被災者は120万人を超えると言われています。

それから2022年12月には、インドネシアのスメル火山が噴火しています。大きな噴火と言われており、噴煙は高度1万5000mにも達しています。 噴煙が空気中に蔓延すると、エンジンについてしまうと上空で停止するリスクもあるため、航空のダイヤが乱れるなど被害は拡大しそうです。

日本人が海外でビジネスするならインドネシアをお勧めする5つの理由

まとめ

今回はインドネシアの台風情報についてご紹介しました。

インドネシアに来るのは台風ではなく、サイクロンです。また、サイクロンもかなり頻繁に来るというのではなく、ジャカルタなどは赤道に近いため発生しにくい条件が整っています。 その一方で国土面積が広いため、サイクロンが生まれて被害を出す場所もあります。

特に別の自然災害と合わせて被害を拡大するのがインドネシアのサイクロンの怖いところです。 ぜひ、参考にしてみてください。