インドネシア人の暮らしは日本よりもよい暮らしだとは断言できません。
日本人から見れば、インドネシアで暮らせば物価が安くてお金を使わずに生活できるように見えますが、インドネシア人と所得が違うので当たり前です。
実際のところ、インドネシア人の暮らしはどういったものでしょうか?もし、インドネシアで生活するとなるとどういった暮らしが待ち受けているのでしょうか?
そこで今回は一般的なインドネシア人の暮らしについて詳しくご紹介します。
インドネシア人の平均所得
インドネシア全土とジャカルタで平均所得は違う
世界のデータベースを提供するCEICによると、2021年のインドネシア全土の平均月収は米国ドルベースで169.821ドルでした。日本円に換算すると、約23,400円(2022年11月28日のレート)になります。 また、インドネシアの中でもジャカルタの平均所得は高いです。
JETROによるとジャカルタの最低賃金は、2021年は4,416,187ルピアで、日本円で39,092円となります。 そのため、BADAN PUSAT STATISTIKによるとジャカルタの平均月収は日本円で5万円程度になります。
つまり、ジャカルタはインドネシア全土の平均賃金に比べて2倍以上の平均賃金ということになります。
インドネシア人の所得の中央値
salary explorerによるとインドネシア人の1ヶ月の所得の中央値は11,400,000ルピア(100,913円)です。 つまり、インドネシア人の半分は10万円稼げていませんが、半分の人は10万円を稼いでいることになります。
ちなみに、高額所得の一例として先進国と変わらない月収で働く人の所得(54,200,000ルピア、日本円で約50万円)も紹介されています。
インドネシア人の平均生活費
インドネシア人の平均的な生活費は場所によって隔たりがあるので、場所別にみると、中央統計庁のデータによると、2018年に首都ジャカルタで暮らしているインドネシア人の平均的な生活は13,460,000ルピア(119,148円)です。
一方で、生活費が安い地域はバリのシンガラジャです。6,730,000ルピア(59,574円)という金額になっています。給料や物価が違うとここまで差があるのですね。 ちなみに海外のメディアは、ロンドンやニューヨークに住むのに比べて60%ほど生活費を削減できると表現しています。
シンガポールの生活費と比較しても50%以上安いので魅力的ですね。
インドネシア人の平均的な生活
一般的なインドネシア人の暮らしを衣食住の観点で分けてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
衣服
インドネシアでは日本ほど衣類にお金をかけません。そもそもの、四季がある日本と違ってインドネシアは1年中気温の高い常夏なので、夏物を買ったり冬物を買ったりする必要がないです。 基本的に男性であれば、Tシャツに短パン、もしくは長ズボンを履いています。
そして、足元はサンダルでラフな格好をしていて、たまにスニーカーです。ビジネスであってもネクタイやジャケットは着用せず涼しさを意識した格好です。 一方で女性はマレー系であれば薄めの材質の服で全身を包むようなファッションをしていますが、中華系は半袖に短パンなこともあります。
これらを考慮して、インドネシアで有名な衣類のお店であるMahatariの価格帯を見てみると以下のようになります。
- Tシャツ:10万ルピア(885円)
- ロングチノパンツ:50万ルピア(4,425円)
Tシャツは日本より安めの価格ですね。
食事
インドネシアでの食事はお米が中心です。日本と同じようにお米をアレンジした料理を食べています。具体的には以下のようなメニューがあります。
- ナシゴレン:焼き飯
- ブブール:おかゆ
- ビーフン:米麺
- ロントン:ちまき
また、日本の古い食卓と同じように、大きな皿ひとつの種類の料理が提供されて、その中から自分のお皿に取って食べるという食事スタイルになります。 これらの食事をきちんとしたレストランではなく、屋台で食べようと思うとナシゴレンは15,000ルピア(132円)ほどで食べられます。
他の食事も同じくらいです。 一方で食材を買い込んで料理すると、そこまで劇的に安いという訳ではありません。具体的には以下のようになります。
- お米5kg:60,000ルピア(531円)
- 1.5Lの水:5,000ルピア(44円)
- ジャガイモ1個:3,285ルピア(29円)
ちなみに、日本のビックマックは390円なのに対して、インドネシアは322円です。
住居
インドネシアでの住居にかかるお金は、場所や物件の築年数などによって異なるので平均的な住居を割り出せません。しかし一般論では、インドネシアでは家族と住める一軒家の家賃は月3万円から4万円と言われています。
一方でジャカルタになれば、「安い」と言われているゾーンでも3万円程度になるので、都心であれば現地の人であっても住居費用は大きな負担となっているでしょう。 実際、インドネシアの現地メディアによると、ミレニアル世代の6割がマイホームを持っていないと報道されていました。
まとめ
今回は一般的なインドネシア人の暮らしについて、平均所得や中央値の指標と一緒に衣食住について掘り下げて見てみました。 統計を見ればインドネシアはジャカルタとそれ以外の地域で極端に所得が異なっていますし、貧富の差が激しいことがわかりますね。
一方で日本人感覚からすると、衣食住は安めです。しかし、住居に関してはジャカルタであれば日本人としても割安感は小さくなりますね。 ぜひ、参考にしてみてください。